広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

秋田総合車両センター1

2009-10-17 20:42:48 | 秋田のいろいろ
「秋田総合車両センターフェア2009」を見学してきた記事です。
秋田市内には「秋田総合車両センター」と「秋田車両センター(“総合”が付かない)」という、よく似た名称の2つの施設があるのだが、多くの秋田市民の方はどこにあるどんな組織かご存じないと思う。
でも、前者は「土崎工場」、後者は「金照寺山の車両基地」と言えば分かる方は多いはず。

両方ともJR東日本秋田支社の施設で、2004年に名称が改正されてしまい、紛らわしくなった。整理すると、
秋田総合車両センター
旧称「土崎工場」。
秋田市北部の土崎(つちざき)地区、奥羽本線土崎駅の南にある車両工場。1908(明治41)年操業開始。
街中にあるためか、「土崎工場」の名称と場所は、鉄道に関係・興味のない一般市民でも知っている人は多い。
1942年から52年の終戦前後の短い間、「鉄道省土崎工機部」という名称だったようだが、今でも秋田市に古くから住む年配の人には「コーキブ」と呼ぶ人がいる。
※以下、本記事では旧称の「土崎工場」を使用させてもらいます。

秋田車両センター
旧称「南秋田運転所」。
秋田駅の南東、城南中学校のある「金照寺山」裏側の楢山地区の端、仁井田地区や牛島地区との境付近にある車両基地。秋田新幹線「こまち」や普通列車用の車両などが配属されている。
マイナーな場所にあるためか、戦後にできて歴史が浅いためか、土崎工場と比べて一般市民の認知度は低いと思われる。ただ、秋田新幹線開業後は「『こまち』がたくさん停まっている場所」として知られ、幼稚園が見学に来るなど、注目度は上がったかもしれない。

要するに「土崎にある整備工場」か「楢山にある車庫」かの違い。多くても年に1回1日だけ一般公開されるが、春と秋など両者で日程をずらしているようだ。今回の土崎工場の公開は14日の「鉄道の日」にちなむもの。
1つの街に大きな鉄道施設が2つもあるのは全国的に珍しく、鉄道好きには恵まれた環境だが、僕は今まで一度も一般公開に行ったことがなかく、やっと今回初めて行くことができた。

ちなみに、僕は幼稚園の時、園で土崎工場に見学に行くという話を聞いてとてもうれしかったのだが、実際は人数などの関係なのか2グループに分けて、土崎工場かいすゞの自動車整備工場のどちらか1つを見学するというもの。
グループ分けは個人の意志でなく、住んでいる地区で決められ、僕はいすゞの方。当時の僕はバスやトラックにはまったく興味がなくて、ふてくされて当日休んでしまった思い出がある。その時以来、20数年ぶりの念願でもあった。

それなりに駐車場があり、秋田市中心部からのバスも多いが、タダで見学させてもらうんだしせっかくだからJRで行った。秋田駅から奥羽本線下りで1駅の土崎駅下車。7.1キロ、190円、6~7分。土崎駅からは線路と道路を渡る必要があるが、600メートルほど。
 
クルマで来る家族連れが多いが、歩いて来る人、僕と一緒の列車で来た人などにぎやか。
子供にはスタンプラリーなどが行われ、ミニSLも走っていた。構内に常設のミニSL線路があるのはさすが。
公開と並行して通常業務も行われていたようで、立入禁止の棟も多かった。
ずらりと建物が並ぶ
列車が出入りできるように建物内にも線路が引いてあるため、ある程度格子状に建物が配置されているとはいえ、迷いそう。おまけに案内図をもらい損ねてしまった。
エンジンを整備する建物の中
とても広くて天井が高いが、中には細々と物が置かれている。油のような独特の匂いが少しした。
小物を置く場所が決まっているなど整理整頓と廃棄物の分別が徹底されており、それが効率的で安全な業務を実現しているのだろう。
JR東日本にはいくつかの総合車両センター(旧工場)があるが、ディーゼルエンジンのメンテナンスは土崎工場が一手に引き受けている。車体は郡山などで検査しても、エンジンだけを外して秋田まで運んで検査するらしい。
本物のエンジンが展示されていた
茨城県などを走る「キハE130」などに積まれている新型エンジン。
2棟だけレンガ造りの建物もあった
そしてお待ちかね、車両を整備する建物。
EF81型電気機関車
JR東日本の電気機関車の検査も土崎工場ですべて担当しているようだ。
701系電車
1両で長さ20メートルの電車が小さく見えてしまう。それだけ大きな建物というわけだ。線路の間が溝になっていて、潜って検査するようだ。
左手前でライトを点けているのは、ピンク帯のおなじみ秋田の電車。右のずっと後ろの電車も同じ形式だが、帯の色が青紫なので青森(盛岡支社管轄の東北本線用)か盛岡地区の電車のようだ。
209系電車
そして、以前秋田に運ばれてきた様子を紹介した、水色帯の元京浜東北線の電車。千葉地区で使うための改造工事がされていたようだ。
車体を吊り上げて床下を工事しているが、車内でも作業している
車内の青い部分はおそらくトイレの壁。京浜東北時代はトイレがなかったから、新設工事をしているようだ。
「PC整備室」
この建物の反対側は敷地外の奥羽本線の車窓から見える。
PCといってもパソコンではなく、Passengers Car=客車という意味だろう。厳密には「客車」ではないが電車も含めて車両の内装を行う場所らしい。
吊り手にはビニールがかかり、車内はスカスカ
さっきと別の209系電車がいた。内壁や外装はビニールで養生され、つり革がぶら下がっていたが椅子はなく、床もなんか違う。床材や座席をここで取り付けるのだろうか。帯は水色のままだったけどどうするんだろう。

「だろう」とか「ようだ」という言葉を多用しているが、説明がほとんどなかったから。あちこちにいる職員に聞けば説明はしてくれたものの、いちいち聞くわけにもいかないし、予備知識のない人にはややおもしろみに欠けたかもしれない。
209系電車を見て「どこの電車だろうねぇ?」と小さな子に話すお母さんがいたが、「京浜東北線で使っていた車両を他路線で使うために改造しています」とか簡単でいいから表示してくれれば、理解が深まるのに。この点だけは残念だった。

まだほかにもおもしろい展示があったので、続編もご覧ください
コメント (16)
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