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秋田市長公舎が…

2009-10-23 20:15:09 | 秋田のいろいろ
秋田市長公舎、新住人は園児 来春、保育所へ異例の転身(河北新報) - goo ニュース
今朝、東北地方のブロック紙「河北新報」(本社仙台市)のニュースサイトのトップに秋田市のことが出ていた。他の報道機関では報道されていないようだから、河北のスクープだろうか。
秋田市長公舎の新住人は園児 来春、保育所へ異例の転身」という見出し。
今年4月の新市長就任後、空き家となっていた秋田市長公舎を改築し、来年4月から民間の認可保育所にするというもの。遊休施設の有効利用と待機児童解消を同時に狙ったアイデア。
公舎は敷地面積1500平方メートル、延べ床面積241平方メートルの1970年築木造2階建て。
30人程度の小規模園とし、市から保育所を運営する社会福祉法人へ、建物を無償譲渡、土地を年間70万円前後で貸し付ける。保育所に転用するための改築費は5600万円が見込まれ、社福法人が負担することになるが、市から4800万円を補助。
現在、市は複数の社福法人と調整中で11月下旬には決定予定。
これで東北6県の県庁所在地すべてで市長公舎が廃止されることになる。
といった内容だった。
前市長退去後は表札にガムテープが貼られていた(今は表札ごと撤去)
僕は市長「公邸」だと思っていたが、正しくは市長「公舎」だった。
当ブログでは、過去2回、周辺の風景を取り上げている。ちょうど1年前の紅葉 春の椿としだれ桜
秋田駅から千秋公園を越えて旭川沿いの保戸野八丁(ほどのはっちょう)にある。近くに秋田工業高校、秋田北高校、秋田大学附属学校などがある住宅街。

記事では触れられていないが、現市長は当選直後(当選前から?)は「(秋田市が運営している)美術工芸短大の学生などの作品展示の場として使いたい」ようなことを話していたと記憶しているが、それとは別の目的で活用することになったようだ。

でも、認可保育所は認定の基準が厳しく、園庭がないといけないはず。市長公舎には木が植えられた広い庭はあった(春の記事参照)が、あれじゃあ園庭とはいえないだろう。庭を更地にでもしないといけないのか、と思って調べると、現行の「児童福祉施設最低基準」では「屋外遊戯場(保育所の付近にある屋外遊戯場に代わるべき場所を含む」を設けることとされていた。
つまり付近に公園のようなものがあれば、それを屋外遊戯場(園庭)とみなすことができるそうだ。
実は市長公舎の隣りは、
「保戸野街区公園」という
いわゆる児童公園。これは好都合。

ちょっと手狭で薄暗い(特に道路側から見ると)が、奥行きがあり旭川沿いの遊歩道側は明るい。
真ん中に大きなイチョウ
遠くからでも見え形が整って美しい。この公園のシンボル的存在、と僕は思っている。道路側にももう1本ある(次の写真)。
公園前の道路。イチョウより奥が市長公舎
公園は元々、戦前の政治家 町田忠治(1863-1946)の生家だった。上の写真の公園入口の門がその頃の名残ではないかとの情報もある。
以下は身内の記憶によるもので、正確さの確証はありません
後に秋田市の所有となり、近くの秋田市立保戸野小学校の畑(?)のようなものになり、「学校園」と呼ばれていたそうだ。それが児童公園に変わったのだろう。
※以上伝聞終わり※
公園内の小さな標柱
「故 農林大臣/商工大臣 町田忠治先生誕地」「市立保戸野児童遊園」とある。別に最近建てられた標柱もあった。

公園内から公舎の庭が見える。
 
春の記事で触れた椿や枝垂れ桜のほか、笹やぶやモミジもある。
手入れはされているが、これを保育園にするとすれば、凹凸や死角を除かないと危険だろう。やっぱり少し改修するのだろうか。
以前はゴルフの打ちっ放しセットが置かれていたのだが、今はなくなっていた。市のものではなくて、入居していた前市長の私物だったのだろう。

その前市長だが、今は秋田県知事となり、市長公舎と千秋公園を隔てた反対側、明徳小学校の近くにある知事公舎に住んでいる。
知事公舎へ引っ越した際には「自宅では来客を迎えるのに手狭なので…」とかインタビューに答えていた。
ちなみに、知事公舎も廃止したり、知事が入居しない都道府県があるらしい。宮崎のヒガシコクバルさんも入居せず、もったいないから一般に公開・貸出している。


市長公舎からあまり遠くない、中心市街地・大町のかつてダイエーが入っていた「秋田ニューシティ」には認可保育園の「分園」が入っている(園庭はどういう扱いなんだろう? その問題をクリアするために分園にしたのかもしれない)。
だが、現在、ニューシティのテナントは次々に移転しており、その1つ秋田市中央公民館「サンパル秋田」でさえ来年度から文化会館内への移転を余儀なくされた。おそらくニューシティ自体がなくなるのではないかと思うが、そうなれば分園もなくなってしまうだろう。ただ分園の園児数は7人とのことだから、市長公舎が保育園化することで受入数は増えることになる。
秋田市の待機児童は180人超いるそうだが、多少とはいえ改善につながるだろうし、(市にせよ民間にせよ)保育園を新設するより安くつくだろう。何よりも、中心街から遠くない閑静な住宅街で旭川や千秋公園に囲まれて自然も身近な場所。保育環境が良さそうだ。
川沿いの遊歩道を数百メートル歩けば太平山が見渡せる
【11月3日追記】県域紙の秋田魁新報では11月3日付けで報道された。2つの社会福祉法人が現地を見て、うち1法人が応募したとのこと。
【2010年4月2日追記】その後の経緯はこちら
コメント (4)
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