麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

十年目の月光の夏

2012年08月14日 | 鑑賞
倫敦五輪。新体操団体。
ボールの演技でブルガリアが
ベートーヴェンの『月光』を使った。
演目にあわせたアレンジだった。

ので、
ピアノソナタとして書かれた名曲を
ちゃんと生で聴きたくなって
昨夜、下北沢の北沢タウンホールへ。

劇団東演
『ピアノ・ソナタ「月光」による
朗読劇/月光の夏』

2003年初演以来、毎年欠かさず上演され、
東演の財産演目になった作品。
四人の朗読者とピアニスト一人による
舞台は、この十年で16名の俳優が
25を超す様々な組み合わせで語って、
昨夜は174回目(※)

特攻出撃の決まった学徒兵が
最後にピアノが弾きたいと
鳥栖の小学校を訪れる。
音楽室にあった楽譜は「月光」。
・・・戦後45年経ち、
そのピアノが廃棄されることに。

ソナタがlargoから始まり、
andante~agitatoと変化するように
物語も表情を変えて行き、
歴史の中に封印された悲劇を暴き出す。

南保大樹、清川佑介、野二紗子、
落合咲野香。ピアノ植田伸子。

この陣容での初舞台は、若手俳優が
多かったことも加わり、良い意味で
「若さ」が際立つ一時間半だった。

純然たる「朗読」ではないが、
やはり「語り」の力量が問われる作品。
その一方で、過度のテクニックが
観客の想像力を妨げる場合もある。

好みもあって難しいところだが、
個人的に「清々しさ」のある
良いアンサンブルでありました。

(※)
劇団HP上演記録欄参照。
ただし同HP公演情報では
「190ステージを超え」とある。

コメント
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