高円寺駅にほど近い「氷川神社」は、
本朝唯一、気象の神様を祀っている。
その地で、今日から始まったのが
今申楽(いまさるがく)『風』という芝居。
境内に特設舞台を組んで、社の一部も使う、
つまりは野外劇である。
昼公演は「座・高円寺」という劇場を使い
(勿論こちらは屋内です)、夜は神社。
ただし雨天の場合は劇場にて。
というアイデアの効いた公演形態。
初日を拝見したが野外劇の醍醐味を味わえた。
登場人物の一人がまだ見ぬ子の名を呼べば
まるで応えたように近所の子供が奇声を発し、
おっと。ネタばれは避けたいので
詳しくは書かないが物語は現代と
昭和20年8月15日を行き来する。
戦闘機が敵艦に向かうシーンでは、
蝉が啼きながら飛んで、機銃掃射に見え、
クライマックスではタイトルにふさわしく
強い風が吹いて、樹々を揺らした。
どれも「演出」の域を超えた、まさに
「演劇の神様」が降りたような舞台だった。
馬橋にあった「陸軍気象部」も劇中に登場。
馬橋の地名は今はなく、阿佐ヶ谷から
高円寺にかけて、神社や児童館、広場等の
名前に面影を残しているが(僕は元区民なの)、
この日、観劇前に杉並区役所に小用があって、
阿佐ヶ谷の庁舎から歩いて会場に向かう途中
歩いたのが「旧馬橋」一帯であった。
芝居の内容は知らず、偶然に……
「八百よろずの神」の仕業?
と、思わずにはいられなかった。
八月十二日まで。
***
製作総指揮/陳俊宏
脚本・演出/朧太夫
出演/伍長=篠本賢一、少尉=田渕正博
姫神=山口果林(特別出演)ほか
***
本朝唯一、気象の神様を祀っている。
その地で、今日から始まったのが
今申楽(いまさるがく)『風』という芝居。
境内に特設舞台を組んで、社の一部も使う、
つまりは野外劇である。
昼公演は「座・高円寺」という劇場を使い
(勿論こちらは屋内です)、夜は神社。
ただし雨天の場合は劇場にて。
というアイデアの効いた公演形態。
初日を拝見したが野外劇の醍醐味を味わえた。
登場人物の一人がまだ見ぬ子の名を呼べば
まるで応えたように近所の子供が奇声を発し、
おっと。ネタばれは避けたいので
詳しくは書かないが物語は現代と
昭和20年8月15日を行き来する。
戦闘機が敵艦に向かうシーンでは、
蝉が啼きながら飛んで、機銃掃射に見え、
クライマックスではタイトルにふさわしく
強い風が吹いて、樹々を揺らした。
どれも「演出」の域を超えた、まさに
「演劇の神様」が降りたような舞台だった。
馬橋にあった「陸軍気象部」も劇中に登場。
馬橋の地名は今はなく、阿佐ヶ谷から
高円寺にかけて、神社や児童館、広場等の
名前に面影を残しているが(僕は元区民なの)、
この日、観劇前に杉並区役所に小用があって、
阿佐ヶ谷の庁舎から歩いて会場に向かう途中
歩いたのが「旧馬橋」一帯であった。
芝居の内容は知らず、偶然に……
「八百よろずの神」の仕業?
と、思わずにはいられなかった。
八月十二日まで。
***
製作総指揮/陳俊宏
脚本・演出/朧太夫
出演/伍長=篠本賢一、少尉=田渕正博
姫神=山口果林(特別出演)ほか
***