麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

ブンナ閉幕

2012年08月30日 | 鑑賞
公演初日(8/21)に、未観劇の状態で
「素晴らしい作品になる
と豪語したのだけれど、
想像以上の素敵な舞台でした。

劇団青年座
『ブンナよ木からおりてこい』
(作/水上勉、補綴/小松幹生、
演出/磯村純)の話です

主人公のブンナは勿論、
登場する人物・・・もとい、
蛙や雀や百舌や蛇などの動物たち
・・・が、実に生き生きとして、
作品テーマ「命の輝き」
観客席にびしびしと伝えてきた。

千秋楽は8月26日でした。
31年前のその日はプロ野球界で
宇野のヘディング事件(*1)や
江本のベンチがあほやから発言(*2)
があった日であり、
その年からさらに910年遡れば
マラズギルトの戦い・・・
説明するまでもありませんが
東ローマ帝国とセルジューク朝
(*3)の戦争・・・があった日。

そんな歴史上のあれやこれやを
軽く凌駕する「伝説」の始まり。
そう。《磯村ブンナ》は東京、
新国立劇場での公演を終えただけで
この秋には九州全域へ
そして更なる進化を遂げながら
もっともっと素敵な舞台になる

と、これまた先走って言い切ります。

これまで。天性のセンスと、
それに裏付けされたスピードや躍動感、
例えるなら今日、宿敵韓国に圧勝した
「ヤングなでしこ」のような演出で
我々に無限の可能性を期待させた
磯村純

トノサマガエルの子・ブンナは
お寺の池を飛び出して
大きな椎の木に登り、前述した
様々な生きものと遭遇し、
成長していくのだが・・・
劇団の財産演目の五代目の演出に
抜擢された彼も、ブンナ以上に
たくさんの現場で力をつけてきた。
劇団を飛び出して、他の新劇団や
学生やさらには演劇初心者と、
くんずほぐれつの闘いの末の、
『ブンナよ木からおりてこい』。

最終景「お~い」と帰ってきたのは
ブンナであり、磯村自身であったのだ。

    

*1=中日の宇野遊撃手(当時)が
平凡なフライをヘディングした珍プレー

*2=阪神の江本投手が首脳陣を批判。
これがきっかけでシーズン終了後引退。

*3=セルジューク朝
11世紀から12世紀にかけて現在の
イラン、イラク、トルクメニスタンを
中心に存在したイスラム王朝。
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