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平岩弓枝著 御宿かわせみ(二十二) 「清姫おりょう」

2020年07月30日 18時33分01秒 | 読書記

今日は 日中、一時、薄日が射し、
なんとなく梅雨明けの兆しにも見えたが
周辺の山並みには、雨雲が掛かったまま、
今にも降り出してきそうな、
やっぱり 梅雨模様の1日だった。
九州等西日本の各地で 今日 梅雨明けの発表が有ったようだが
関東甲信地方は そう少し先のようだ。

朝一番、妻の通院の送迎をした後は 
キョウヨウ無し、キョウイク無し、
読みかけになっていた 平岩弓枝著 「御宿かわせみシリーズ」第22弾目の作品 「清姫おりょう」を 読み終えた。

平岩弓枝著 御宿かわせみ(二十二) 「清姫おりょう」

本書には 表題作の「清姫おりょう」の他、「横浜から出て来た男」、「蝦蟇の油売り」、「穴八幡の虫封じ」、「阿蘭陀正月」、「月と狸」、「春の雪」、「猿若町の殺人」の 連作短編8篇が収録されている。


「横浜から来た男」
秋のお彼岸に東吾るいは るいの生家庄司家の菩提寺浄念寺に墓参したが そこで、生き別れした姉おみのを探す川崎屋利兵衛(本名長吉)と出会った。「かわせみ」の宿泊者となり、身の上話を語り出す。芸者だった母親おはまは日本橋の穀物問屋柏屋の妾だったことで 利兵衛は 手がかりを頼って柏屋を訪れたが、妾腹の子である利兵衛は追い払らわれた。柏屋は 手の平を返すように親切になり、姉と名乗る女を探し出してきた。なにか臭い?。東吾、長助が探索。柏屋長左衛門と女房おはつは 勇次というならず者に惨殺され、浄念寺の門前町の玩具屋のお染が小田原から戻ってきた。黒船がやってきたり、京洛では倒幕の動きが有る時代だが 江戸はまだまだ危機感が薄く、のんびりしているという背景になっている。

「蝦蟇の油売り」
尾州の浪人と自称する蝦蟇の油売り古橋源八は男前で、墨筆問屋唐古堂の娘お梅に見初められ婿になることが決まっていた。秩父の山里から毎年、長助の店、長寿庵に蕎麦粉を運んでくる百姓の吾助が殺され、長助、源三郎、東吾が 下手人探索を開始するが、決めてがない。吾助の娘のおろくが単身で江戸にやってきて、下手人探しをする。宗太郎からの情報で、黒紋付が決めてとなり 吾助と同郷の男彦市を捕らえる。

「穴八幡の虫封じ」
畝源三郎の二人目の子お千代は癇の虫が強く、虫封じのお守りを授かりに行くという長助と出会った東吾は 長助に同行したが、途中女盛りの深川芸者のお駒と道連れになる。お駒が 生母おとり、養母おく 二人の母親の面倒をみていること等長助から聞かされた東吾。本篇は 殺しや捕物が無く、しみじみした人情物になっている。しかし、東吾は・・、
駒吉と別れ、日本橋川に沿った道を大川端へ歩き出して 東吾はあっと思った。遥かむこうにぽつんとるいが立っている。(中略)・・・、水道橋のところで長助と出会って、なんの気なしについて行っただけなのだと弁解した東吾に るいは笑った。「ついて行ってよろしかったじゃございませんか。あんなおきれいな方とお知り合いになられて・・・」「馬鹿・・」「私、お邪魔だったのじゃありませんか」「よせやい、くだらねえ」、駒吉の姿はもう見えなかった。

「阿蘭陀正月」
麻生宗太郎の長崎時代の医者仲間の集まりが品川の鮟鱇料理店で有り、宗太郎に誘われて東吾も出席したが、お吉に「男前だが仁徳に欠ける」」と評された依田貴一郎(40歳、独身)が死んだ。誰が、誰を毒殺しようとして、河豚の肝を混ぜたのか?、東吾の機転で 宗太郎は助かったが・・、

「月と狸」
「かわせみ」に狸が出没するようになり、しかも三匹、お吉が張り切って餌を与えている。飯倉町の岡っ引き仙吾郎が 青山の刀屋備前屋の跡取り芳太郎を伴って「かわせみ」にやってきた。備前屋は焼け、当主藤兵衛、内儀お元、娘お加世が焼死したという。娘婿番頭の新兵衛は?、およねとは?、放火と盗賊の関連は?、源三郎、長助が探索、張り込んでいた捕り方がかけつけ、一味5人が捕縛された。

「春の雪」
講武所の若い連中の行軍の下見に出掛けた東吾は 途中で花見の下見の長助と出会い飛鳥山を廻ったが かわらけをしている旗本加納政之助を見掛ける。昔、かわらけに飽き足らず石礫を投げ女を失明させたことを知る。失明した女おこうには妹おいねと弟新吉がいる。加納政之助が切腹した?、東吾、長助、源三郎が 真相探索、謎解きを開始するが・・・・、
おいねが「かわせみ」を訪ねてきて 真相が判明。東吾の推理も及ばなかったような。
「うちの旦那様は 若くてきれいな娘さんだと 桔梗屋のお饅頭みたいに甘くなるんですから・・・」るいの手がのびて、東吾はわあっと声を上げた。雪は夜半まで降って止んだ。(中略)「お気の毒に、長助親分、折角のお花見が雪になってしまって・・・」、「雪中花ってものを はじめて目にしましたんで、そりゃあもう・・」

「清姫おりょう」(表題作)
東吾は 講武所からの帰りに激しい雷雨に遭い、一軒の軒先に走り込み雨宿りしたが 家の中から女の声が聞こえてきた。東吾がずぶ濡れで「かわせみ」に帰り落ち着いたところに 畝源三郎と岡っ引きの長助がやってきて、東吾が雨宿りした材木問屋田原屋の女主人おすがの住まいで その日、おすがが殺さたことを知らされる。お吉が「雷避けのお札」をもらってきたという神田連雀町の祈祷師の過去は?、清姫のおりょうと呼ばれる女盗賊とは?
「源さんもがっくりしていたよ。おりょうというのは口がうまくて年寄りを丸め込むのが得意だそうだ・・(中略)、盗っ人の昼寝を決め込んでいるんだろう」、東吾も、るいも、お吉も気がつかず、山門を出て行った後 茶店の若い女は 方丈の裏の小屋に向かった。
雨がいけなかったと、女が呟いた。(中略)、「あんたの黒子、描いてたの、それじゃ そのあざも・・」、女主人が大声を出し時・・・あっという間だったと思う。・・・・・、井戸のほとりで 女は米を洗いはじめた。

「猿若町の殺人」
猿若町の旦那衆による素人芝居の噂が立つ中、麻生宗太郎の患者春日屋主人長兵衛から、娘のおきぬがお軽役で芝居に出るので是非見にきて欲しいとの誘いがあり、東吾は るいお吉麻生七重花世 女4人と連れ立って芝居を見に行ったが、舞台で与市兵衛役の質屋三河屋主人徳之助が 殺され、源三郎、等と真相探索、謎解きを開始する。勘平役の芝居茶屋うめもと三左衛門?、定九郎役の和三郎?、由良之助役の浜田屋安之助?、猪役の春日屋の丁稚梅吉?、下手人は誰だ?
「素人がおだてられて芝居なんぞに夢中になると、ろくなことがないんだ」・・(中略)・・、「だから芝居なんぞに熱中しないで、もっと女房を大事にしてりゃよかったんだ」、うっかり言ってしまって、東吾ははっとしたとたん、お吉「・・・若先生もせいぜいお内儀さんを大事になさって下さいまし」、るいも少しはしゃいだ調子で応じた。東吾はいささか憮然としてあたりを見廻した。

(つづく)

 


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