「既刊 芸術」第八号 昭和44年1月
50年以上前の作品で、「内向の世代」とか
いわれていて、その旗手だったらしい。これは、
幼年詩篇の続篇というもので、おやじさんが癌で
死にかかっているという感じだ。恐らく、私小説
作家といっていいと思う。自分の身辺で起こっ
たことを小説仕立てにしておられるのだろう。
おやじさんは年老いて、大佐だったというが、
これも、転がり込んできた手柄で、ようやく手に
した肩書らしいことが明らかになっていく。
私小説は久しぶりに拝読したが、この人はやはり
商業的に成功している人と見えて相当にうまい、
手練れた作家であったことが良くわかる。
(読了日 2023年10・4(水)15:48)
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