講談社文芸文庫 昭和40年
敗戦後、偉い軍人だったはずの父は、家の
ものを売って生活をしていた。どんどん家の
ものは処分されていく。父は働こうとせず
働く気を見せて遊園地をやるんだ、と意気
込んで活動するも、友人にかつがれていたら
しく立ち消えになり、仕事も続かず、ダメ人間
となっていく父。少年は少年らしい清潔さで
もって描かれていくが、中坊になり、恋をす
るが、それもむなしく潰えてしまう。全体的に
暗いテーマでもって描かれているが、筆致は決して
そんなに暗いばかりではない印象だ。
55歳で89年に亡くなっているが、この短編を
読んで阿部氏のファンになってしまった。引き続き、
短編、読んでいきたいと思います。
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