「黄昏は百合の骨」恩田 陸 講談社文庫
これは、「3月は深き紅の渕を」と、「麦の海に沈む果実」とあわせて、3部作になっているようですが。
う~む、その2作は読んだはずだけど、ずいぶん前のことなんで、ほとんど覚えていないんですが。えーと、「麦の・・・」が、ムードが萩尾望都のトーマの心臓とかのイメージにすごく近いなあ、と思った記憶がありますね。
じゃー、前作はハードカバーで読んだんですね!。
そういえば、そういうことです。この本の装丁が、ムードがあってステキなんですよ。最近は文庫専門。これはまあ、経済的都合というものです。新刊が出ても、文庫になるまで、待とうと。
本作は、日本が舞台なんで、ちょっと違う感じですか?
トーマとはちがうけれど、作品のかもし出す雰囲気は3部作やはり同じなのではないかと。
「百合」が題名にありますが、その、孤高で、薫り高い百合のイメージ、ぴったりですね。
古い洋館になぜかいつも百合の花が絶えず活けられている。その謎も、最後にあかされます。基本的には、この本一冊だけでも、ストーリーは楽しめますね。
はい。ちょっと、歯がゆいところもありますが大丈夫。
祖母が亡くなって、主人公、高校生の理瀬が長崎の坂の上の洋館に帰ってくる。
そこに同居している美貌の叔母2人。
しかし、どうも何か隠しているような、探っているような、気を許せない雰囲気がある。
近所の人たちにはその館は「魔女の家」と呼ばれている。この館に隠された秘密とは・・・!なるほど、ちょっとミステリアスな雰囲気の物語なんですね。まあ、恩田陸ですから、当然ですが。
そうですね。この、叔母さんたちも怖いですが、私はかわいくて無邪気に見える、理瀬の友人のほうが怖かったですよ・・・。
女性作家は、本気で、女の醜いところ、怖いところも描きますからね・・・。
そして、登場する少年たちは、なかなか美形。ふっふっふ。
あ、結局そこに落ちますか。
いいじゃないですか。それも楽しみの一つなんだから。
物置さがして、前記の作、読みますかね~。