映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「ヒメママ」玖保キリコ

2007年05月17日 | コミックス

「ヒメママ」 玖保キリコ マガジンハウス

単純化された絵ながら、実に深い味がある、というのは、「バケツでごはん」でも感じたところです。
ちょっとシニカルな視線のようでいて、実は温かい・・・という、この感じがすきなんですよね。
このストーリーは、強烈にわがままな、お姑さんに振り回される家族の物語。
何しろ、わがまま、自己チュウ。
ほとんど芸術的と思えるほど。
だからこそ、「ヒメ」なのです。
その長男、ハルオは、子供の頃からの付き合いに、ほとんどあきらめの境地。
その妻ハナが,一番大変な役どころながら、何とかうまく付き合っている。
私はこの、ハナさんを尊敬します!!
リサ(お姑さんの名前!)のわがままにうんざりさせられながらも、それを許容し、極力望む方向へと、がんばってみる。
これはなかなか出来ることではないですよ~。
少なくとも、私はムリだと思う。

さて、このリサさんは・・・・
年をごまかし、少しでも若く見られようとする。
いくつになってもおしゃれ。
孫にも、「おばあちゃん」と呼ばせない。
ヤングの洋服売り場ではちょうど合うサイズが無く、お客のニーズを考えてないと、怒る。
本当はミセス向けのフロアへ行けばあるのだけれど、そんなバアサン服売り場へは、行きたくない。
う~む、わがままって言うけど、一種共感できる部分あるよねえ。
これって、普通の女の気持ちを代弁してるだけなのかも知れない、という気もします。
これだけ、いいたいこと言えれば、ストレスもたまらなさそうだし。
なんだかちょっとかわいい部分も感じられたりして。
いつの間にか、リサちゃんのファンになってたりして。
ハナさん、申し訳ないですが、このわがままリサちゃんにお付き合いくださいませ・・・。

さて、この向かうところ敵無しに見えるリサの天敵は、妹のルリ。
何と、イギリス貴族と離婚後、フランス人大富豪と結婚。
パリで優雅に暮らしているという。
黒柳徹子に酷似したこの妹に、負けたくないけどかなわない、というユニークな設定。
この先一波乱も二波乱もありそうですね!!