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人生を操るコントローラー
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マイケルは、家族と共に過ごす時間よりも仕事を優先させる仕事人間。
家族を相手に無駄に時間が過ぎてしまうなんて、もったいない。
そう思っている。
そんなある日、彼は最先端の機器を手に入れたのです。
それは人生を操作するコントローラー。
ビデオのコントローラーみたいなものです。
ストップ、消音、巻き戻しに、早送り・・・自由自在。
しかしえてして、こういうものには落とし穴があるものです。
ドラえもんのポケットから飛び出す様々な道具と同じですね。
さて、コメディタッチで、ここから悲劇が始まりますよ・・・。
このコントローラーには、なんと学習装置が内蔵されていまして、
マイケルは一度、昇進が待ちきれず、その間、早送りしてしまったのですね。
早送り期間中は、自分は自動モードになっていまして、
ほぼ無意識、無感動のうちに、やるべきことはやるのですが、
その間の記憶はない!
めでたく昇進し、ふと気がついたら一年も経っていたりする。
その間、何があったのやら、何もわからない。
ところがそのあと、またすぐに、次の昇進の話がでる。
すると、学習したコントローラーの働きで、
また次の昇進まで勝手に早送りが作動してしまう。
しかし、なんということでしょう!
次の昇進には10年かかってしまったのです。
気がつくと、すでに10年が過ぎている。
まるで浦島太郎だ。
仕事ばかりに夢中で、目はうつろ、
感情のない『自動モード』のマイケルにすっかり愛想をつかした妻は離婚し、
別の男と再婚。
まだ幼かった子どもたちはすっかり大人になっている。
昇進したって何の意味があるのでしょう。
家族はもう彼の元にはいない。
なくしてしまった時間、家族。
それを守るための仕事であったはずなのに・・・。
確かに、嫌なことはすっ飛ばしてしまいたいです。
こんなコントローラーがあったらいいなあ・・・と、
思わないでもないのですが・・・。
世の中地道が一番。
喜びや悲しみを共にすることができる家族や友人。
そういう人たちがいてこそ、仕事に意味もある・・・と。
そういうことですね。
でも、かつて日本のお父さんは、皆こんなだったのじゃないかなあ・・・。
仕事優先。
家族は二の次。
こういうお父さんたちが、日本の高度経済成長をささえてきたわけで・・・。
だからこそ、なんですかね。
もう、仕事は二の次にして、家族を優先させましょう、と。
そうは言っても、このご時勢、仕事仕事でやっと生活が成り立つ
・・・なんてこともありそうで。
なかなか理想通りには行きませぬ・・・。
2006年/アメリカ/107分
監督:フランク・コラチ
出演:アダム・サンドラー、ケイト・ベッキンセイル、クリストファー・ウォーケン、ヘンリー・ウィンクラー