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2ヶ月前の126巻の時には、まさかこんなことになっているとは思いませんでした。

敬愛する栗本薫さんのご逝去にあたり、謹んでご冥福をお祈りしたいと思います。

とうとう未完となってしまったこの「グイン・サーガ」。

でも、最後の最後まで楽しみたいと思います。

それがせめてものご供養ですね。

さて、この巻ですが。
ヴァレリウスとイシュトヴァーンの会話が多いのですが、これがなんとも面白い。

この二人は、完璧に陰と陽なんですね。

ヴァレリススは、ナリスさまの災難のもとを作ったイシュトが大嫌い。無学で乱暴なイシュトをちょっとバカにしていたのです。

でも、イシュトは確かに無学だけれど、バカではないのですよね。
そして怖ろしくカンがいい。

そうそう、そうでなければやはりここまで登りつめることはできないですよ。

それで、ヴァレリウスとしては、イシュトヴァーンには気づいて欲しくないことを、イシュトはズバズバ突いてくる。

それで、表面上は常に冷静のヴァレリウスも、内心目をシロクロ・・・、とこういう情景ですね。

だから、この二人の取り合わせは面白いんですよね~。

で、結局、ヴァレリウスが隠したかったフロリー母子の行方、ヨナの行方をすっかり気づかれてしまった、というわけなのです。

それで、また、意外な展開なんだけれど。どうもイシュトはリンダのことは後回しで、ヤガへ行くつもりみたいなんですね。

さすがのイシュトも恋人より、わが子なのか・・・?

本気でむちゃくちゃにリンダが好きというわけでもなさそうですよね。

まあ、それはさておき、物語のすべてがヤガへヤガへと方向を指し示している。
ミロク教の秘密。
これがこれからの大きなテーマとなるのは必至。

そしてまず、ヨナとスカールがヤガへ一番乗りするんですね。

この都市には大きな陰謀が潜んでいそう。

ここへイシュトが乗り込んでくるとなればまた、とんでもない流血騒ぎが起きそうだ・・・。

また大きく歴史の流れが変わることになりそうですね。

これまでは、こういうところに必ずグインが関わっていたのですが・・・。

ケイロニアではまた大変なことになっているし・・・。

う~ん、あと、8月10月12月の発刊分まで原稿はあるそうなんですが、このミロク教篇にきちんとケリがつくのかどうか・・・。

ちょっと不安になってきました。

前巻までの後書きでは、体調が悪いながらも、栗本さんは気丈に頑張っていらっしゃいましたが、
この巻ではさすがに体力が消耗し疲れを感じていたようです。

そこへ来てまたご主人のガンの手術という・・・。

天は、栗本さんに物書きの才能を与えた代わりに、命の炎を削ってしまったかのようです。

この先ヤガでは、きっと主要人物たちが集結しますね。

また2ヶ月、じっくり待つことにしましょう!
満足度★★★★☆