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続・夕陽のガンマン

2009年06月26日 | クリント・イーストウッド
続・夕陽のガンマン [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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三つ巴のだまし合い

            * * * * * * * *

「夕陽のガンマン」の続編。
・・・とはいっても、監督や出演者がかなり重なりますが、
全く別物の話です。
私は、前作の設定そのまま、
マンゴと大佐が別の賞金稼ぎをする話だと思っていました・・・。

この作品の原題は”The Good The Bad and the Ugly”
(本当の原題はイタリア語ですが)
言ってみれば、「善玉、悪玉、卑劣漢」というところ。
つまり、善玉ジョー(クリント・イーストウッド)、
悪玉テュコ(イーライ・ウォラック)、
卑劣漢セテンサ(リー・ヴァン・クリーフ)、
この三人の三つ巴の騙し合いが繰り広げられるのです。

この中ではテュコがやや三枚目役となっていて、私たちを楽しませてくれます。
でも、銃の腕は確かですよ。

この三人は同じお宝、ある墓場に隠された20万ドルを捜し求めているのです。
それぞれ、時と場合により協力し合ったり、騙しあったり。
それも命がけ。
最終的にはその墓地で3人の決闘が始まります。


この作品で特徴的なのは、南北戦争が舞台となっているところ。
ジョーとテュコは、思想的にどちらかに属していたりはしません。
おかまいなく南軍に化けたり、北軍に紛れ込んだりします。
しかし、あまりにも無意味に大勢の兵士が死んでいくのを見て、
一計を案じるのです。
まあ、この二人も相当むやみに人を撃ち殺していますから、
あんたたちに言われたくない・・・と、思わなくもないですが、
ちょっぴり戦争に対しての皮肉を交えているあたりが、ミソといえばミソ。
いいシーンではありますが、
このために、作品がやけに冗長になってしまい、
西部劇としての締まりにかけてしまった感もあります。


さて、最後に20万ドルを手にするのは誰なのか。
まあ、ほとんど答えは出ておりますが。
ここでは、ジョーが「善玉」ということになっているのですけれど、
果たしてそうなのか?
最後にテュコが叫ぶ言葉のほうが、真実のようです。

ところで、この邦題に戻りますと、
なんで「夕陽のガンマン」なんでしょうね・・・?
内容とも、原題とも離れていて、ただのフィーリング。
しかも2作。
それなのに、立派に通用させてしまいましたねえ。
恐るべし、このネーミング。

1966年/イタリア/155分
監督:セルジオ・レオーネ
出演:クリント・イーストウッド、イーライ・ウォラック、リー・ヴァン・クリーフ

The Good, The Bad & The Ugly - Theatrical Trailer