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上質の冒険活劇、歴史ロマン
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アレクサンドル・デュマの小説を基にしたストーリーです。
何しろ、この原作がとてもよいので、
これで面白くなければよほど演出か俳優がヘボということですが・・・。
ご安心を。
史実をも織り交ぜた、上質の冒険活劇、歴史ロマンですね。
これは「三銃士」のその後の物語でもあります。
ルイ13世に仕え名を馳せた三銃士、アラミス・ポルトス・アトス。
彼らはもう老いています。
ダルタニアンはまだ現役で、
ルイ14世の元、銃士隊長として仕えている。
しかし、その若き王ルイは、フランス国民の貧窮には無関心、尊大で利己的。
全く王としての資質に欠けていた。
そんなある日、バスティーユにひそかに幽閉されていた
鉄仮面の男が連れ出される。
誰あろうこの人物は、ルイの双子の弟フィリップ。
その存在を疎んだルイによって、仮面をかぶせられ、
6年もの間牢獄に閉じこめられていた。
顔が瓜二つのこの二人を入れ替え、国をよくしよう、
そういう密かな計画が練られるのですが・・・。
フィリップは、6年もの孤独な獄中生活を経てなお、
人を思いやる心を持っているのです。
まさに、王としての資質を備えている。
彼自身には、この6年間の「復讐」という気持ちは全然ないのです。
そういうところがすごいですね!
レオナルド・ディカプリオが1人二役を演じているわけですが、
これが見事です。
同じく王の服装をしていても、どちらなのかはすぐにわかる。
さすが・・・というべきでしょう。
あくまでも尊大、
そういうところがいかにも「王」として生まれた感のあるルイ。
立ち居振る舞いは威厳ないのですが、
それでも、自然とあふれ出るような高貴な心を持つフィリップ。
どちらも見所です。
出生の秘密とか、いかにも陰惨なバスティーユ牢獄。
三銃士とダルタニアンの信頼と友情。
愛と勇気。
そして父子の情愛。
・・・なんとまあ、贅沢すぎるくらいのモチーフを集め、楽しませてくれます。
物語の王道ですね。
1998年/アメリカ/132分
監督:ランダル・ウォレス
出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェレミー・アイアンズ、ジョン・マルコビッチ、ガブリエル・バーン