のんべと食いしんぼには応えられない
* * * * * * * *
お酒の瓶のイラストが心惹かれるこの本。
とてもおいしい一冊です。
学生時代からの飲み仲間、湯浅夏美、長江高明、熊井渚。
定番の飲み会は、ゲストを招き、
毎回おいしい肴とそれにぴったりのお酒で話が盛り上がります。
でもそこはミステリ作家ですから、何かしらのナゾが提起されるのです。
大丈夫、殺人事件はありません。
ここで解かれる日常のナゾは、男女の微妙な心の機微。
頭脳明晰、長江氏がゲストのほんの言葉の切れ端から、隠された真実を探り当てます。
だから、ちょっとうれしかったり悲しかったりするラブストーリーも楽しめますが、
なんと言っても、この本の楽しいのは、食べ物と飲み物。
では、ご紹介します。
生ガキとウィスキー。
チーズフォンデュと白ワイン。
豚の角煮と泡盛。
ぎんなんと日本酒。
そば粉のパンケーキとブランデー。
スモークサーモンとシャンパーニュ。
う~ん、どれもそそられますね。
ところがあと一つ、意外なものがあるんです。
それはチキンラーメンとビール。
チキンラーメンは、もちろんあの、インスタントラーメンで、しかもナマです。
袋ごとがんがんたたいて、細かくしてポリポリとそのままいただく。
まあ、なんてお手軽な!!
作中ではこのような記述がありますよ。
最初に感じたのは、口の中で麺が砕ける感触だった。
その次に塩気、油の味、そして強いスープの味が順に口の中に広がった。
スナック菓子というには味が強すぎる。
飲み込んで、そのままビールを飲んだ。
すると舌に残った塩分と油分をビールが流してくれて、
口の中にはスープの旨味だけが残った。
私、もの好きにも次の日、
チキンラーメンを買ってきて、さっそく試してしまいましたよ。
まあ、悪くはないですけどね。
でも、皆さん、わざわざ試すほどでもないかも・・・。
私はビールにはエダマメの方がいいです。
この中で、想像が付かないのが、
そば粉のパンケーキとブランデーというヤツ。
これこそ、試してみる価値はありそうですね。
ともかく、のんべと食いしんぼには応えられない本であります。
しかし、短編の連作であるこの本、それだけではないんですよね。
ある仕掛けが施されていまして、最後の話であっと驚かされます。
なんにしても楽しめました。
満足度★★★★☆
Rのつく月には気をつけよう (祥伝社文庫) | |
石持 浅海 | |
祥伝社 |
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お酒の瓶のイラストが心惹かれるこの本。
とてもおいしい一冊です。
学生時代からの飲み仲間、湯浅夏美、長江高明、熊井渚。
定番の飲み会は、ゲストを招き、
毎回おいしい肴とそれにぴったりのお酒で話が盛り上がります。
でもそこはミステリ作家ですから、何かしらのナゾが提起されるのです。
大丈夫、殺人事件はありません。
ここで解かれる日常のナゾは、男女の微妙な心の機微。
頭脳明晰、長江氏がゲストのほんの言葉の切れ端から、隠された真実を探り当てます。
だから、ちょっとうれしかったり悲しかったりするラブストーリーも楽しめますが、
なんと言っても、この本の楽しいのは、食べ物と飲み物。
では、ご紹介します。
生ガキとウィスキー。
チーズフォンデュと白ワイン。
豚の角煮と泡盛。
ぎんなんと日本酒。
そば粉のパンケーキとブランデー。
スモークサーモンとシャンパーニュ。
う~ん、どれもそそられますね。
ところがあと一つ、意外なものがあるんです。
それはチキンラーメンとビール。
チキンラーメンは、もちろんあの、インスタントラーメンで、しかもナマです。
袋ごとがんがんたたいて、細かくしてポリポリとそのままいただく。
まあ、なんてお手軽な!!
作中ではこのような記述がありますよ。
最初に感じたのは、口の中で麺が砕ける感触だった。
その次に塩気、油の味、そして強いスープの味が順に口の中に広がった。
スナック菓子というには味が強すぎる。
飲み込んで、そのままビールを飲んだ。
すると舌に残った塩分と油分をビールが流してくれて、
口の中にはスープの旨味だけが残った。
私、もの好きにも次の日、
チキンラーメンを買ってきて、さっそく試してしまいましたよ。
まあ、悪くはないですけどね。
でも、皆さん、わざわざ試すほどでもないかも・・・。
私はビールにはエダマメの方がいいです。
この中で、想像が付かないのが、
そば粉のパンケーキとブランデーというヤツ。
これこそ、試してみる価値はありそうですね。
ともかく、のんべと食いしんぼには応えられない本であります。
しかし、短編の連作であるこの本、それだけではないんですよね。
ある仕掛けが施されていまして、最後の話であっと驚かされます。
なんにしても楽しめました。
満足度★★★★☆