映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

大奥

2010年10月08日 | 映画(あ行)
男女逆転大奥。でもやっぱり二宮君は男の中の男!!



            * * * * * * * *

この作品、いつも見に行く作品と同じく、ごく普通の選択の一つとして見に行ったのです。
でも映画館へ行ってびっくり。
若い女の子がわんさかとたむろしている。
他の映画だろうと思ったのですが、やはり「大奥」なのでした。
二宮和也くんって、こんなに人気あったんですね・・・。
というか当方の認識不足でした・・・。
まあ、たまたま初日で、しかも1日、映画1000円の日という特殊事情もありましょう。
おかげで開演30分前くらいでも満席寸前で、
スクリーンの直前という席になってしまいました。


さて、「大奥」。
実は私は本家というか元祖の「大奥」は見ていません。
どうもあの絢爛豪華かつ陰険な世界は苦手・・・。
でもこの作品は、よしながふみコミックが原作。
男女逆転「大奥」ということで、好奇心を抑えられませんでした。

江戸時代という舞台背景は同じながら、
男だけに感染するナゾの疫病が蔓延し、
極端に男性が少なくなってしまったというパラレルワールド。
やむなく女性が要職に就き、男性は貴重な「子だね」をもたらすものとして
大事にされるけれども、お金で売られたりもする・・・と。そんな世界。
なにしろ、おおもとが私たちの常識が通用しない世界なので、
展開も予測不能。
だから非常にわくわくしながら拝見しました。


二宮くん演じるところの主人公、水野祐之進は貧乏旗本の一人息子。
貧しい実家を助けるために、「大奥」勤めをする決心をする。
一人の女将軍に3000人のイケメンが仕えるという、女人禁制の大奥。
彼が大奥に入った時の将軍はまだ幼く、やがて病で亡くなってしまう。
次期将軍となったのは吉宗(柴咲コウ)。

緊縮財政の折、節約第一を掲げて改革をはかろうという強い意志を持つ女性であります。
その将軍様は、着飾った大奥の男たちが気に入らない。
しかし、ただ一人黒ずくめの装束の水野に目が止まるというわけです。



大奥内部に蠢く自己顕示欲、出世欲、権力欲
・・・そういうところはやはり「大奥」ならではですが、
ボーイズラブの要素も加わり、女の子はこういうの好きですよね・・・。

特に大奥の中では、たった一人の女性の目をひくために着飾るという、
男性の女性化が著しいですが、
水野青年はやっぱり「男」なのですよ。
剣術に長け、弱者をかばう。
勇気があり潔い。
う~ん、カッコイイですね。
男女数が半々であっても、こういう男子はまさしく「希少価値」でしょうが。


玉木宏と佐々木蔵之介の怪しいシーンなんて
・・・うわあ、これは他では二度と見られませんよ!

いつも三枚目の阿部サダヲがかっこよかったこと・・・!
見所満載です。
わけあって、吉宗と水野の初夜は、非常に緊迫感あふれるものとなります。
うーむ、このシチュエーションはすごい・・・。
二宮ファンに限らず、是非ご覧あれ・・・!


2010年/日本
監督:金子文紀
原作:よしながふみ
出演:二宮和也、柴咲コウ、堀北真希、大倉忠義、玉木宏、佐々木蔵之介、阿部サダヲ