鋭く自由な発想の発明の数々
* * * * * * * *
ボリュームたっぷりのこの本、
中身もぎっしりで、読了までずいぶんかかってしまいました。
でも、ウィット・ユーモアたっぷり、正義感にあふれるこの本、
楽しさ持続でとてもうれしかった。
これは2003年から2006年、著者が亡くなるまで「サンデー毎日」に連載されたものです。
日々の暮らしが少しでも良くなるために・・・
著者の鋭く自由な発想による発明の数々が掲載されていますが、
さすがに実用は難しいか・・・。
また、多用されているカットも著者ご自身のもの、ということでとても楽しいのです。
いくつかご紹介しましょうか。
■ホームレスのサバイバル方法・・・不夜城のTV局に潜り込むべし。
■世界を一つにするには・・・いっそ地球上すべての国がアメリカに併合されてしまえばいい。(この辺は米原さんらしい大いなる皮肉)
■究極の交通渋滞克服法・・・簡単に自分の車をパトカーや救急車に変身できるようにしておく(それでいいのか?!)
■子供を誘拐犯から守る機材・・・ブローチ・ペンダント・服のボタンなど、携帯電話と気づかれないような形状のケータイを開発し常に身につけさせる。
(おお、珍しくマトモ)
■新暦システム・・・日にちと曜日が毎年全く同じカレンダーにしてはどうか、
ということなんです。
毎年元旦は水曜日にする。(そうするとたっぷり年末年始の休暇を取れるから)
最後に余る1日は曜日のないおまけの日。(ちょっと、魅力は感じます・・・)
■温暖化による海面上昇を食い止める方法・・・水没しそうな国もあれば、砂漠化し干上がっている国もある。
海面上昇した分の水を淡水化して砂漠に撒けばよい。
(なんてスケールの大きな案!これはすべての国が自分の国のことばかり考えず、
協力し合わないとダメですね。夢で終わらせたくない夢です。)
私は、今年のこの夏の暑さ、この無駄な暑さを何とかうまく利用できないものかと、
考えてみたのですが・・・ちゃんと米原さんも考えてましたねえ。
この熱を、冬の南半球へ送り込めばいい、と、これもスケールの大きな話。
グローバルな発想。
北海道に住む私としては、この熱をやはり自分のところの冬に使いたい。
やはり太陽光発電くらいしかないのでしょうか。
熱を固めて保存しておいて、冬に使うなんてことは・・・無理?
折しもこの文が書かれた頃は小泉政権時代。
米原さんの痛烈な小泉批判が随所に光ります。
私は、今の民主党政権を米原さんならなんと評するのか、是非聞いてみたかったなあ・・・。
うん、こういうのはどうでしょう。
人の思想をそのまますべて保存できるスペシャルコンピュータ。
これがあれば、今も米原さんの「発明」が本に連載できるかも。
栗本さんが登録しておけばグイン・サーガの続きも読めたかな・・・。
満足度★★★★☆
![]() | 発明マニア (文春文庫) |
米原 万里 | |
文藝春秋 |
* * * * * * * *
ボリュームたっぷりのこの本、
中身もぎっしりで、読了までずいぶんかかってしまいました。
でも、ウィット・ユーモアたっぷり、正義感にあふれるこの本、
楽しさ持続でとてもうれしかった。
これは2003年から2006年、著者が亡くなるまで「サンデー毎日」に連載されたものです。
日々の暮らしが少しでも良くなるために・・・
著者の鋭く自由な発想による発明の数々が掲載されていますが、
さすがに実用は難しいか・・・。
また、多用されているカットも著者ご自身のもの、ということでとても楽しいのです。
いくつかご紹介しましょうか。
■ホームレスのサバイバル方法・・・不夜城のTV局に潜り込むべし。
■世界を一つにするには・・・いっそ地球上すべての国がアメリカに併合されてしまえばいい。(この辺は米原さんらしい大いなる皮肉)
■究極の交通渋滞克服法・・・簡単に自分の車をパトカーや救急車に変身できるようにしておく(それでいいのか?!)
■子供を誘拐犯から守る機材・・・ブローチ・ペンダント・服のボタンなど、携帯電話と気づかれないような形状のケータイを開発し常に身につけさせる。
(おお、珍しくマトモ)
■新暦システム・・・日にちと曜日が毎年全く同じカレンダーにしてはどうか、
ということなんです。
毎年元旦は水曜日にする。(そうするとたっぷり年末年始の休暇を取れるから)
最後に余る1日は曜日のないおまけの日。(ちょっと、魅力は感じます・・・)
■温暖化による海面上昇を食い止める方法・・・水没しそうな国もあれば、砂漠化し干上がっている国もある。
海面上昇した分の水を淡水化して砂漠に撒けばよい。
(なんてスケールの大きな案!これはすべての国が自分の国のことばかり考えず、
協力し合わないとダメですね。夢で終わらせたくない夢です。)
私は、今年のこの夏の暑さ、この無駄な暑さを何とかうまく利用できないものかと、
考えてみたのですが・・・ちゃんと米原さんも考えてましたねえ。
この熱を、冬の南半球へ送り込めばいい、と、これもスケールの大きな話。
グローバルな発想。
北海道に住む私としては、この熱をやはり自分のところの冬に使いたい。
やはり太陽光発電くらいしかないのでしょうか。
熱を固めて保存しておいて、冬に使うなんてことは・・・無理?
折しもこの文が書かれた頃は小泉政権時代。
米原さんの痛烈な小泉批判が随所に光ります。
私は、今の民主党政権を米原さんならなんと評するのか、是非聞いてみたかったなあ・・・。
うん、こういうのはどうでしょう。
人の思想をそのまますべて保存できるスペシャルコンピュータ。
これがあれば、今も米原さんの「発明」が本に連載できるかも。
栗本さんが登録しておけばグイン・サーガの続きも読めたかな・・・。
満足度★★★★☆