人が人を思いやることの崇高さ
* * * * * * * *
1960年代、フランスの片田舎。
ジャックという中年教師が町のお祭りでピエロに扮し、皆を大いに沸かせています。
ジャックの息子リュシアンは、人の笑いものになっている父が嫌で仕方なかった。
けれど、父の友人アンドレが、
ジャックがピエロに扮するようになったわけを語り始めます。
* * * * * * * *
ドイツ占領下のフランス。
人々はあきらめ淡々と生活を続けているわけですが、
中にはドイツ軍に抵抗するレジスタンスの活動をするものもいたわけです。
片田舎で教師をしているジャックは、善良な小市民で、
そんなレジスタンスの活動には関係するわけもなかったのですが・・・。
彼が通っている酒場にルイーズという魅力的な女性が働いています。
ジャックは友人のアンドレと共にルイーズにいいところを見せたくて、
レジスタンスのまねごとを計画します。
鉄道のポイント切替所を爆破しようというその計画は、
なんとあっさり成功してしまったのです。
ところがそれを怒ったドイツ軍は、
町の住人4名を「人質」として捕らえ、
犯人が名乗り出なければ彼らを射殺すると宣告する。
なんと、その四人の中にジャックとアンドレが含まれていた!
実際に犯人であるジャックとアンドレは、どちらに転んでも、命はない・・・。
この人質4名はドロドロの穴の底に監禁されていたのですが、
そこに一人のひょうきんなドイツ兵が現れるのです。
彼は赤いピエロの鼻をつけて彼らを笑わせようとする。
また、こっそり食料を差し入れてくれたり、
音楽を聴かせてくれたり。
精一杯彼らを慰めようとする誠意に、心打たれる4人。
そしてまた、そこになんと犯人と名乗り出たものがいた・・・。
結局人質の4人は、無事帰ることが出来たのですが、
それはある人が自らの命をかけた誠意、
しかもそれが二重に重なった結果であったのです。
ストーリーはコミカルに描かれていますが、
その内容は果てしなく深く崇高です。
知らず涙がわき出て来ます。
人の心を狂わせる戦火の下にあっても、なお美しい人の心は存在する。
いい物語でした。
こんなシーンもありましたよ。
人質になった穴の底で、
もし万が一生きてここを出ることができたら、
「すぐにルイーズに結婚を申し込む。」とジャックがいいます。
「いや、俺ももちろん申し込むよ。」とアンドレ。
「じゃ、ルイーズは君と結婚するだろうね・・・。」とジャック。
ジャックは背が低くてちょっぴり太っちょ。
すらっと背が高くてハンサムなアンドレを彼女は選ぶだろうと思ったのですね。
けれども、続けてジャックはいいます。
「でも、いいんだ。僕の大好きなルイーズと君が幸せになるのなら僕もうれしいよ。」と。
そこでアンドレはハッとするのですね。
人が人を思いやること、男女に関わらないその「愛」は、崇高です。
「ピエロの赤い鼻」
2003年/フランス/95分
監督:ジャン・ベッケル
原作:ミシェル・カン
出演:ジャック・ヴィユレ、アンドレ・デュソリエ、ティエリー・レルミット、ブノワ・マジメル
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1960年代、フランスの片田舎。
ジャックという中年教師が町のお祭りでピエロに扮し、皆を大いに沸かせています。
ジャックの息子リュシアンは、人の笑いものになっている父が嫌で仕方なかった。
けれど、父の友人アンドレが、
ジャックがピエロに扮するようになったわけを語り始めます。
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ドイツ占領下のフランス。
人々はあきらめ淡々と生活を続けているわけですが、
中にはドイツ軍に抵抗するレジスタンスの活動をするものもいたわけです。
片田舎で教師をしているジャックは、善良な小市民で、
そんなレジスタンスの活動には関係するわけもなかったのですが・・・。
彼が通っている酒場にルイーズという魅力的な女性が働いています。
ジャックは友人のアンドレと共にルイーズにいいところを見せたくて、
レジスタンスのまねごとを計画します。
鉄道のポイント切替所を爆破しようというその計画は、
なんとあっさり成功してしまったのです。
ところがそれを怒ったドイツ軍は、
町の住人4名を「人質」として捕らえ、
犯人が名乗り出なければ彼らを射殺すると宣告する。
なんと、その四人の中にジャックとアンドレが含まれていた!
実際に犯人であるジャックとアンドレは、どちらに転んでも、命はない・・・。
この人質4名はドロドロの穴の底に監禁されていたのですが、
そこに一人のひょうきんなドイツ兵が現れるのです。
彼は赤いピエロの鼻をつけて彼らを笑わせようとする。
また、こっそり食料を差し入れてくれたり、
音楽を聴かせてくれたり。
精一杯彼らを慰めようとする誠意に、心打たれる4人。
そしてまた、そこになんと犯人と名乗り出たものがいた・・・。
結局人質の4人は、無事帰ることが出来たのですが、
それはある人が自らの命をかけた誠意、
しかもそれが二重に重なった結果であったのです。
ストーリーはコミカルに描かれていますが、
その内容は果てしなく深く崇高です。
知らず涙がわき出て来ます。
人の心を狂わせる戦火の下にあっても、なお美しい人の心は存在する。
いい物語でした。
こんなシーンもありましたよ。
人質になった穴の底で、
もし万が一生きてここを出ることができたら、
「すぐにルイーズに結婚を申し込む。」とジャックがいいます。
「いや、俺ももちろん申し込むよ。」とアンドレ。
「じゃ、ルイーズは君と結婚するだろうね・・・。」とジャック。
ジャックは背が低くてちょっぴり太っちょ。
すらっと背が高くてハンサムなアンドレを彼女は選ぶだろうと思ったのですね。
けれども、続けてジャックはいいます。
「でも、いいんだ。僕の大好きなルイーズと君が幸せになるのなら僕もうれしいよ。」と。
そこでアンドレはハッとするのですね。
人が人を思いやること、男女に関わらないその「愛」は、崇高です。
ピエロの赤い鼻 [DVD] | |
ジャン・コスモ,ギョーム・ローラン | |
ハピネット・ピクチャーズ |
「ピエロの赤い鼻」
2003年/フランス/95分
監督:ジャン・ベッケル
原作:ミシェル・カン
出演:ジャック・ヴィユレ、アンドレ・デュソリエ、ティエリー・レルミット、ブノワ・マジメル