映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ロビンとマリアン

2011年03月02日 | 映画(ら行)
若く血気盛んな時を過ぎた、ロビンとマリアンは・・・

             * * * * * * * *

先日見たロビン・フッドつながりで、少し古いこの作品を見てみました。
でも実はこの作品、遠い昔の公開時に見たはずなのですが、
内容はなーんにも覚えていませんでした。
情けない・・・。

そもそもこの作品、しばらくスクリーンから遠ざかっていたオードリー・ヘップバーンが
久々に映画出演したことで話題になったはずです。
この時のヘップバーンは47歳。
ショーン・コネリーは46歳か。
この作品の冒頭、瑞々しいリンゴが、
ひからびてしわしわになったリンゴのカットに変わるんですよ。
つまりこの物語は、若くして活躍し人気を博したロビン・フッドとマリアンの
後日談ということになっていまして、
往年の二人ももうすっかり年をとってしまった・・・といいたいらしい。
でもね、まだ40代ですよ。
今の私の感覚からいったらまだぜんぜん若いじゃないですか。
それをしなびてひからびたリンゴにたとえるとは・・・。
現にショーン・コネリーはこの後もいよいよ円熟して、さらに多くの作品に出演しています。
ところがヘップバーンはこの後の出演はごくわずか。
こういうところが男女の差なのでしょうか。
女は若く美しくないと、もう女ではないと・・・?
まあ、元々あの瑞々しい妖精のようなイメージがあるだけに、
成熟した彼女はイメージダウンと見られてしまうのでしょうね・・・。
残念だなあ・・・。


さて、作品の話です。
ラッセル・クロウ版と同じく、長い十字軍遠征から故国イギリスに戻ったロビン。
この時に獅子王リチャードが亡くなったところも同じですね。
・・・というか、ここの部分は史実なのかな?。
ラッセル・クロウ版ではこの後にロビンがマリアンと出会うのですが、
こちらは、二人はそれ以前に出会って愛し合っていた。
しかしロビンはマリアンを置き去りに十字軍遠征に加わってしまい、
18年を経てようやく戻ってきたという設定になっています。
マリアンはそのとき絶望で自殺を図ったけれども失敗。
そのとき助けられた修道院で暮らすことになり、今ではこの地の修道院の院長だ。
相変わらず農民たちは貧しく、重い税に苦しんでいる。
ロビンはマリアンとよりを戻したくてモーションをかけるのですが、
尼僧となった彼女はもうそういうことには興味がない・・・と彼を拒むのです。
でもやがてそのしこりもとけていき、
穏やかな二人の時間を取り戻せたように思えた。
しかし、農民たちがまたシャーウッドの森に集まり始め、再び戦いが始まろうとしている。
もう、争いなど見たくない・・・
マリアンは戦いを止めないのなら出ていく、と森を去ろうとするのですが・・・。


う~ん、実のところ何だか納得出来ないラストだったのです。
マリアンは若い頃、男勝りで、明るく元気、そしてキュート。
・・・そういうふうだったイメージがあります。
その雰囲気はまさにヘップバーンにぴったり。
その彼女がそもそも男に去られたくらいで自殺・・・というイメージがうまくつかめないし、
加えてこのラストにはますます疑問。
この人ならこういう行動はしないだろう・・・と、
どうしても思えてしまうのですね。
こういう結末にするのなら別の女優を起用するべきだったのかも知れません。

私なら・・・シャーウッドの森正面の敵を欺き、
森の裏から全員でこっそり逃亡しますけどね・・・。
せっかくそこのところまでややコミカルに進んで来たストーリーなので、
最後は痛快に終わらせたい。
そんな気がするのですが・・・。

ロビンとマリアン [DVD]
ショーン・コネリー,オードリー・ヘプバーン,ニコール・ウイリアムソン,ロバート・ショウ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント


「ロビンとマリアン」
1976年/アメリカ/107分
監督:リチャード・レスター
出演:ショーン・コネリー、オードリー・ヘップバーン、ロバート・ショウ、イアン・ホルム、リチャード・ハリス