映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

華麗なる相続人

2011年03月30日 | 映画(か行)
製薬会社を取り巻く華麗なる陰謀

          * * * * * * * *

オードリー・ヘップバーン主演のサスペンス。
この作品、最近見た「ロビンとマリアン」の後の彼女の出演作で、
えーと50歳ですね。
確かに、50歳。
でもやっぱりさすがにきれいです。


世界的規模の製薬会社社長サム・ロフが事故死。
その娘エリザベスが大株主を受け継ぐこととなる。
他の株主たちもおおかたこの血族で、
それぞれにその財産を手にしたいと狙っている。
彼らとしては株を公開し現金を手に入れたいところ。
しかし、エリザベスは亡き父がこの会社を創立した頃の純粋な夢や志を知り、
会社経営を引き継ぐと宣言。
そんなおり、父の死は事故ではなく殺人だったこと、
会社の機密が何物かに盗まれていたことなどが解ってきます。
やがて彼女自身にも迫る危機。
さあ、裏切り者は彼らの中にいる。
それは一体誰・・・?


こういうのは、一番怪しくなさそうなのが真犯人と決まっていますが・・・
やはり・・・。
原作がシドニー・シェルダン。
監督がテレンス・ヤング。
音楽がエンリオ・モリコーネ。
そして、出演がオードリー・ヘップバーンを始めとする豪華キャスト、
ということで、当時たぶん鳴り物入りで公開されたのではないでしょうか。
でも、今見るとこれは、
まあ、普通のサスペンスドラマ・・・。
ただ、エリザベスが父親の若い頃過ごした街を訪ね、
彼の初心に思いを馳せるシーンがあったところは秀逸でした。
単に、女でも会社経営くらいできるのよ・・・と、息巻くのではなく、
父の意志を継ごうとしたところがいい。
製薬会社はお金を儲ける手段ではなくて、人々を救うためのものだ、と。


そうそう、最近の私のこだわり、
オマー・シャリフも株主の一人として出演しています。
彼は妻と3人の娘がいながら、愛人との間にも3人の息子がいて、
愛人に「お金をよこさなければ奥さんにバラす」と脅かされているという、情けない役。
3人ずつの息子・娘が皆同じような年頃で
似たような名前になっているというのが何とも愉快です。

華麗なる相続人 [DVD]
ベン・ギャザラ,ジェームズ・メイソン,オードリー・ヘプバーン,オマー・シャリフ,ロミー・シュナイダー
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


「華麗なる相続人」
1979年/アメリカ/117分
監督:テレンス・ヤング
出演:オードリー・ヘップバーン、ジェームズ・メイソン、ロミー・シュナイダー、ベン・ギャザラ、オマー・シャリフ