映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ヤング≒アダルト

2012年08月17日 | 映画(や行)
都会で奮闘する女性への、ごくごく控えめのエール?



                 * * * * * * * * * 

監督ジェイソン・ライトマン、脚本ディアブロ・コーディは、
あの「JUNOジュノ」のコンビです。
となれば、ちょっと興味はひかれますね。



ティーン向け小説のライター、メイビスは久しぶりに故郷ミネソタに帰ってきます。
かつての恋人バディに再会し、復縁しようと狙っているのです。
メイビス自身はバツイチで、今はミネアポリスで自堕落に犬と暮らしています。
さてその元カレ、バディは結婚し、子どもが生まれたばかり。
メイビスは勝手に彼がこんな生活に嫌気が差していると思い込んでいるのですが・・・。
メイビスは高校時代の友人たちに出会うのですが、
誰もが平凡ながらも自分の生活に楽しみを見出しながら、
満ち足りた生活をしているように思われる。
それに引き替え、自分は一人ぼっちで、
ライターといってもゴーストライターだし、
人気も下降気味。
そんな現実から、目をそむけるように、彼女は思い込んでいるのです。

「こんな退屈な町で、退屈な生活。馬鹿みたい。
なんとかバディを救い出して私と結婚させよう・・・!」



美人でいつもちやほやされていた自分こそ本当の自分。
こんなはずはない。
本当の私は今の私ではない。
彼女が書くティーン向け小説の人物そのもので、
メイビス自身大人になりきれていないのです。



・・・と、シャーリーズ・セロン演じるところの
とんでもなく身勝手な勘違い女、嫌な女メイビルなのですが、
なんだか嫌いになれません。
それは、今作がはじめから彼女を包み込み、見守る趣旨でできているからです。
それは、高校時代に彼女に憧れ、でも高嶺の花で近寄ることもできず、
彼女に認識さえもしてもらえなかったという今作のマットの視点でもあります。
彼はただ一人彼女の企みを打ち明けられますが、
ひたすら気にかけて見守っています。



生きる道は人それぞれ。
大人になりきらない自分に気づいたとしても、
あえてまた自覚を持って同じ道を行くのもアリですよね、確かに。
そうでなければ、都会で過ごしたこれまでの時間が無になってしまう。
これはもしかすると都会で1人で健闘して生きている女性たちへの
ごくごく控えめの賛歌なのかも知れません。



それにしても、バディの気を引くためにおしゃれに念を入れる、シャーリーズ・セロン、
まだまだ若くて綺麗。
見とれてしまいます。
この役にはぴったりでした。
しかしまた、美人であるがゆえに、平凡な幸せを手に入れ損なった(今のところ)という事なら、
私は美人でなくてよかったなあ・・・と思ったりして。
コメディになってしまいそうなところを、
やんわり包み込む、素敵な作品でした。

ヤング≒アダルト [DVD]
シャーリーズ・セロン,パットン・オズワルト,パトリック・ウィルソン,エリザベス・リーサー,コレット・ウォルフ
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


「ヤング≒アダルト」
2011年/アメリカ/90分
監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ディアブロ・コーディ
出演:シャーリーズ・セロン、パットン・オズワルト、パトリック・ウィルソン、エリザベス・リーサー、J.K.シモンズ