映画と本の『たんぽぽ館』

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「ビブリア古書堂の事件手帖3」 三上延

2012年08月24日 | 本(ミステリ)
栞子さんと母親の確執

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
三上 延
アスキー・メディアワークス


                 * * * * * * * * * 

引き続き、ビブリア古書堂。
本作は古書とそれにまつわる様々な人々の本へ込める「思い」の物語であるわけですが、
2作目あたりから店主栞子さんと、その母親の確執が大きな柱となってきています。
そして、栞子さんと大輔のほのかな恋の進展も、私の楽しみではありますが
本作はさほどの進展はありません。


第一話で紹介されるのは「たんぽぽ娘」ロバート・F・ヤング著。
妙に親しみを感じてしまうのは、その題名のためでもありますが、
どうもこれは私が好きなタイムスリップモノのSFファンタジーらしいので・・・。
私の好きな「ジェニーの肖像」に似た感じのようなんですが、
未読です。
本作では市場に出た絶版文庫の貴重なこの本を、
よりによって栞子が盗んだという疑いをかけられてしまうのですが・・・。
まあ、彼女のことですから、
そんな疑いを晴らすくらいお手の物、ということですけどね。

全然関係ないのですが、文中に西谷祥子『オリンポスは笑う』と『いとこ同盟』という書名があって、
泣きたいくらい懐かしさがこみ上げてきました。
と言っても内容は全然思い出せないのですが、
好きだったんですよねー、西谷祥子さん。


こうして見ると、私も子供の頃から今まで一体どれだけの本を手にとってきたものやら、
見当もつきませんが、
確かに、そう簡単に手に入らなかった子供の頃に自分の家にあった本については、
とても懐かしく思われます。
無論今は手元にありませんが、
もしこのような古書店で同じ本を見つけたら、買ってしまうかもしれませんね。


ところで、なんとなーくですが
私、栞子さんがあまり好きではないような・・・。
“めんどくさい女”
と思えてきたりして。
彼女と母親の確執・・・って言うのを引っ張りすぎなのでは?。

「ビブリア古書堂の事件手帖3」三上延 メディアワークス文庫

満足度★★☆☆☆