少年が見たロック界
* * * * * * * * *
この作品、もっと古い作品かと思っていたのですが
実は10年と少し前。
この作品の舞台自体が70年代で、往年のロック全盛期となっていたのでした。
15歳でローリング・ストーン誌のライターを勤めたという
キャメロン・クロウ監督自身の体験を元にした作品です。
15歳のウィリアムスには、口うるさい母親を嫌って家出した姉が居ます。
その姉が残したレコードをきっかけに、
彼はロックの世界にのめり込んできました。
伝説的ロック・ライターであるレスターに気に入られ、
彼もロック関係のライターを目指すことになるのです。
ある時彼は、ローリング・ストーン誌掲載予定の記事を書くため、
売り出し中のバンド、スティルウォーターのツアーに同行することになりました。
そこで出会ったのはグルーピーの中でもひときわ目立つ少女、ペニー・レイン。
しかし、彼女はグループの一番人気ギタリスト、ラッセルと付き合っているのです。
15歳の少年のインタビューにも、
グループのメンバーはあまりまともに答えようとしてくれません。
記事の構想もうまくまとまらないうちに締め切りが迫ってきます・・・。
15歳、まだ青春の入り口にたったばかり、
世間知らずのボウヤの視点から見たロック。
彼は天才少年で、音楽的な知識や感覚は確かに優れているのです。
けれども、そこには彼がまだ知らなかった世界が広がっていた。
それは憧れたロックスターたちの真の姿でもありますが、
未知の切ない感情でもあります。
ロックスターたちの、いってみれば自堕落な生活ぶりを
少年の視点で、みずみずしく見せてくれたと思います。
ラストの、嵐に揺さぶられる飛行機内のシーンが圧巻でした。
もうダメだ、これで最後だということで、
みな自分がこれまで心の底に隠していた感情を大声でさらけ出すのです・・・。
ウィルの母親の描き方も面白かった。
大学教授ということで、非常に堅苦しいのです。
そもそもロック自体が受け入れられないし、
そのロックのツアーなど、息子を堕落させるだけと思っている。
ドラッグは絶対ダメとしつこく言い聞かせ、
さらにまたツアー先にまでせっせと電話をよこして、お説教。
・・・いやはや、これでは嫌になるよね。
姉が出ていったのは当然だし、ウィルもこもまま帰らないのでは・・・?
とそう思わせるのですが。
けれどもこの嫌味なまでにお固いお母さんが、
やっぱりウィルの帰るべきところだったりする。
うん、15歳なら、まだそのほうがいいですよね。
ロック界の実情を描きながら、
すごくマトモな感覚でまとめられているという、
ちょっと意外なおすすめ作なのでした。
「あの頃ペニー・レインと」
2000年/アメリカ/123分
監督・脚本:キャメロン・クロウ
出演:パトリック・フュジット、ビリー・クラダップ、フランシス・マドーマンド、ケイト・ハドソン、ジェイソン・リー、フィリップ・シーモア・ホフマン
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この作品、もっと古い作品かと思っていたのですが
実は10年と少し前。
この作品の舞台自体が70年代で、往年のロック全盛期となっていたのでした。
15歳でローリング・ストーン誌のライターを勤めたという
キャメロン・クロウ監督自身の体験を元にした作品です。
15歳のウィリアムスには、口うるさい母親を嫌って家出した姉が居ます。
その姉が残したレコードをきっかけに、
彼はロックの世界にのめり込んできました。
伝説的ロック・ライターであるレスターに気に入られ、
彼もロック関係のライターを目指すことになるのです。
ある時彼は、ローリング・ストーン誌掲載予定の記事を書くため、
売り出し中のバンド、スティルウォーターのツアーに同行することになりました。
そこで出会ったのはグルーピーの中でもひときわ目立つ少女、ペニー・レイン。
しかし、彼女はグループの一番人気ギタリスト、ラッセルと付き合っているのです。
15歳の少年のインタビューにも、
グループのメンバーはあまりまともに答えようとしてくれません。
記事の構想もうまくまとまらないうちに締め切りが迫ってきます・・・。
15歳、まだ青春の入り口にたったばかり、
世間知らずのボウヤの視点から見たロック。
彼は天才少年で、音楽的な知識や感覚は確かに優れているのです。
けれども、そこには彼がまだ知らなかった世界が広がっていた。
それは憧れたロックスターたちの真の姿でもありますが、
未知の切ない感情でもあります。
ロックスターたちの、いってみれば自堕落な生活ぶりを
少年の視点で、みずみずしく見せてくれたと思います。
ラストの、嵐に揺さぶられる飛行機内のシーンが圧巻でした。
もうダメだ、これで最後だということで、
みな自分がこれまで心の底に隠していた感情を大声でさらけ出すのです・・・。
ウィルの母親の描き方も面白かった。
大学教授ということで、非常に堅苦しいのです。
そもそもロック自体が受け入れられないし、
そのロックのツアーなど、息子を堕落させるだけと思っている。
ドラッグは絶対ダメとしつこく言い聞かせ、
さらにまたツアー先にまでせっせと電話をよこして、お説教。
・・・いやはや、これでは嫌になるよね。
姉が出ていったのは当然だし、ウィルもこもまま帰らないのでは・・・?
とそう思わせるのですが。
けれどもこの嫌味なまでにお固いお母さんが、
やっぱりウィルの帰るべきところだったりする。
うん、15歳なら、まだそのほうがいいですよね。
ロック界の実情を描きながら、
すごくマトモな感覚でまとめられているという、
ちょっと意外なおすすめ作なのでした。
あの頃ペニー・レインと [DVD] | |
キャメロン・クロウ,キャメロン・クロウ | |
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |
「あの頃ペニー・レインと」
2000年/アメリカ/123分
監督・脚本:キャメロン・クロウ
出演:パトリック・フュジット、ビリー・クラダップ、フランシス・マドーマンド、ケイト・ハドソン、ジェイソン・リー、フィリップ・シーモア・ホフマン