映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

友へ チング

2012年08月19日 | 映画(た行)
ヤクザはカッコが悪くてはダメ

                  * * * * * * * * * 

チャン・ドンゴン出演作、多分このくらいでネタ切れだと思います。
これもなかなか良いのです。


釜山、4人の幼馴染の少年たち。

ヤクザの父を持つジュンソク(ユ・オソン)。

葬儀屋の息子ドンス(チャン・ドンゴン)。

優等生のサンテク(ソ・テファ)

お調子者のジュンホ(チョン・ウンテク)

小学校時代はいつも一緒に遊んでいた彼ら。
中学校は別々でしたが、高校で再会。
またつるむようになります。
ある時、他校の生徒と乱闘騒ぎを起こしてしまい、
やけを起こしたサンテクはジュンソクに一緒に家出をしようと持ちかけますが、
ジュンソクは、優秀なサンテクの将来を思い引き止めます。
ヤクザの父を持つ自分の将来は見えているけれど、
サンテクだけはまっとうな道を歩んで欲しい。
それは果たせない自分の夢を彼に託すようでもあります。
けれどもこの男気、カッコイイですね。

その後更に道を分かつ彼ら。

ジュンソクはやはりヤクザとなり、
父の葬儀屋の仕事を継ぐのが嫌なドンスもまた同じ道に入ってしまうのですが、
お互いが組同士の抗争の渦の真ん中に位置してしまうのです。
やがて起きる悲劇。


チングは元々の韓国語ではなくて「親旧」と表記するそうです。
ずっと長い付き合いという意味。
やむなく敵同士という立場になりながらも、
お互いの身の上を案じる・・・そういう男の友情がじんわりと胸にしみます。
強がりでもいい。
カッコイイです。
そう、「ヤクザはかっこ悪くちゃダメ」なんですものね。
さて、チャン・ドンゴンのチンピラぶりも実に決まっていましたが、
今作ジュンソク役のユ・オソンも素敵でした―。
実に男っぽく、しびれます。


ラストでまた、少年時代の彼らの映像に戻るところがまた、なんとも心憎い演出なのでした。

友へ チング [DVD]
クァク・キョンテク
ポニーキャニオン


「友へ チング」
2001年/韓国/118分
監督:クァク・キョンテク
脚本:クァク・キョンテク
出演:ユ・オソン、チャン・ドンゴン、ソ・テファ、チョン・ウンテク、キム・ボギョン