映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「隅の風景」 恩田陸

2014年01月01日 | 本(エッセイ)
旅=インスピレーションの元

隅の風景 (新潮文庫)
恩田 陸
新潮社


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ビールを楽しんだプラハ、巡礼者が行き交うスペイン、高所恐怖症と闘った韓国…。
それぞれの土地に広がる、見たことのなかった風景たちを写真に収め、
心に刻みながら、作家は新しい小説の予感を探す―。
稀有な感性で捉えた情景を描き出す旅エッセイは、
もう一つの恩田陸ワールド。
さらに、過去の小説作品のヒントを得た舞台を明かす
「ゲニウス=ロキ覚書」を書き下ろし収録。


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恩田陸さんの旅のエッセイ集です。
何処へ行っても彼女の旅につきものは、ビールと食べ物。
彼女は仕事が忙しく、そんなに長い日程を組めないという事情がありながら、
徹夜明けで列車に飛び乗ってはまずビール。
要所要所の見学も意欲的ですが、
その夜も遅くまで飲み明かし、食べ明かし・・・
いやいや、よく体が持つものです。
お元気そうで何より。
飛行機が苦手なので列車の旅が多いということで・・・
でも列車で飲みたくなるのはわかります。
日常を離れて、旅の高揚感で飲むビールは又格別なのですよね!
それはよくわかります!


本作の旅先は、
英国、チェコスロバキア、スペイン、韓国、中国・・・と、
外国も多いのですが、
日本国内も郡上八幡、日光、熊本、奈良などもあり、バラエティにとんでいます。
そうした場所で彼女がインスピレーションを得て、想像をふくらませていく。
旅は彼女の創作の元でもあるのですね。


私の好きな、スペインの巡礼路、サンティアゴへの道の話はとても興味深く読みました。
残念ながら日程はそう長くとれないので、
要所を車でまわったとのことですが、羨ましく思いました。
そうか、全部歩かなくてもそういう手があるのか・・・などと思ったりして。
いやしかし、やはり一歩一歩歩くことに意義があるのですけどね。


法隆寺が怖いと彼女は言います。
特に夢殿の周りをぐるりと回ると、
自分の反対側を誰かが歩いているような気がする、と。
うーん、そんなこと考えたこともなかったですが、
これぞ作家・恩田陸の感性なのですね。
納得。

「隅の風景」恩田陸 新潮文庫
満足度★★★☆☆


2014年 あけましておめでとうございます

2014年01月01日 | インターバル
午年・・・



あけましておめでとうございます。
この馬のように、みなさまの本年が
跳躍の年となりますように。

私は今年もまた、たくさんの映画と本に触れて
ワクワクした時間を過ごしたいと思います。
ゆったりと読書の時間を取れないのが悩みといえば悩みなのですが・・・
やりたいことがたくさんあるというのも
ある意味幸せなのかもしれません。

羊毛フェルト手芸も、近頃新作のペースが落ちたかな?
まあ、ボチボチやります。
西島秀俊さん出演作探索もまだ続けられそうです!

どうぞ今年もよろしくお願い致します。