王室側からの革命を目指した男
* * * * * * * * * *
18世紀後半、デンマーク王室のストーリーです。
英国からデンマーク王クリスチャン7世に嫁いできたカロリーネ。
互いの家どうしが決めた結婚で、
もちろん会うのも初めてだった国王。
それでも期待いっぱいにやってきたカロリーネでしたが、
国王はとんでもない変なヤツだったのです・・・。
ちょうどマリー・アントワネットがフランスに嫁いだのも似たような次期・状況でしたね。
はじめて夫となる人を見て、ちょっとがっかりだったことも・・・。
このクリスチャン7世は、
まあ、変人というよりは精神を病んでいたようです。
そんな彼のために、ドイツ人ストルーエンセ(マッツ・ミケルセン)が
侍医として常に付き添うこととなりました。
しかし彼は当時出始めた啓蒙思想の持ち主。
貴族が宗教で民衆をがんじがらめにし、搾取している世の中を
何とか変えたいと思っている。
聡明な王妃カロリーネは、彼のそういう思想を受け入れるうちに
次第に男性としても意識し、抜き差しならない関係になっていきます。
一方王は王でストルーエンセには絶大な信頼をおき、
彼の助言に従い様々な改革を行いますが、
それは他の貴族たちにとってあまりにも急進的で自分達の地位をも危うくすることだったため、
反感を募らせていきます。
彼ら貴族たちにとって危険なストルーエンセ排除の切り札が、
王妃と彼の不倫ということに・・・。
フランス革命以前にほんの一時でも
このような改革が王室側からあったというのがまず驚きです。
デンマークの歴史など、今まで何一つ聞いたこともなかったものですから・・・。
しかもこのようなロマンスがらみというのもスゴイですね!
映画的脚色は大きいと思いますが・・・。
二人がダンスで互いの思いを確認しあうシーンが、素晴らしかった・・・!
歴史的には、ストルーエンセが王を丸め込んで政治権力をほしいままにした、
という認識が一般的のようです。
この映画のようであったとすれば、すばらしい近代精神の先駆者であったというべきですが・・・。
でも、確かに急ぎすぎたきらいはあります。
あまりにも急進的だったがゆえに、
ストルーエンセは排除され、その反動でデンマークはまた中世の暗黒政治へ・・・。
しかし、ストルーエンセの思想は次のフレゼリク王に受け継がれ、
宮廷クーデターの末、農民改革などが行われた・・・と、
まあ、ややネタバレ的になりますが、
そういう大きな歴史の流れとなっていくのです。
そこを実にうまく切り取った波乱に満ちた愛の物語。
気に入りましたねえ・・・。
こういうのは大好きです。
ただ、この副題「愛と欲望の王宮」というのにはやや不満。
「欲望」というのはなんだか違うような気がします。
少なくともこのストーリー上でストルーエンセは、
権力を欲したわけではないですよね・・・。
「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」
2012年/デンマーク/137分
監督:ニコライ・アーセル
出演:マッツ・ミケルセン、アリシア・ビカンダー、ミケル・ボー・フォルスガード、トリーネ・ディアホルム
歴史発掘度★★★★★
満足度★★★★★
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18世紀後半、デンマーク王室のストーリーです。
英国からデンマーク王クリスチャン7世に嫁いできたカロリーネ。
互いの家どうしが決めた結婚で、
もちろん会うのも初めてだった国王。
それでも期待いっぱいにやってきたカロリーネでしたが、
国王はとんでもない変なヤツだったのです・・・。
ちょうどマリー・アントワネットがフランスに嫁いだのも似たような次期・状況でしたね。
はじめて夫となる人を見て、ちょっとがっかりだったことも・・・。
このクリスチャン7世は、
まあ、変人というよりは精神を病んでいたようです。
そんな彼のために、ドイツ人ストルーエンセ(マッツ・ミケルセン)が
侍医として常に付き添うこととなりました。
しかし彼は当時出始めた啓蒙思想の持ち主。
貴族が宗教で民衆をがんじがらめにし、搾取している世の中を
何とか変えたいと思っている。
聡明な王妃カロリーネは、彼のそういう思想を受け入れるうちに
次第に男性としても意識し、抜き差しならない関係になっていきます。
一方王は王でストルーエンセには絶大な信頼をおき、
彼の助言に従い様々な改革を行いますが、
それは他の貴族たちにとってあまりにも急進的で自分達の地位をも危うくすることだったため、
反感を募らせていきます。
彼ら貴族たちにとって危険なストルーエンセ排除の切り札が、
王妃と彼の不倫ということに・・・。
フランス革命以前にほんの一時でも
このような改革が王室側からあったというのがまず驚きです。
デンマークの歴史など、今まで何一つ聞いたこともなかったものですから・・・。
しかもこのようなロマンスがらみというのもスゴイですね!
映画的脚色は大きいと思いますが・・・。
二人がダンスで互いの思いを確認しあうシーンが、素晴らしかった・・・!
歴史的には、ストルーエンセが王を丸め込んで政治権力をほしいままにした、
という認識が一般的のようです。
この映画のようであったとすれば、すばらしい近代精神の先駆者であったというべきですが・・・。
でも、確かに急ぎすぎたきらいはあります。
あまりにも急進的だったがゆえに、
ストルーエンセは排除され、その反動でデンマークはまた中世の暗黒政治へ・・・。
しかし、ストルーエンセの思想は次のフレゼリク王に受け継がれ、
宮廷クーデターの末、農民改革などが行われた・・・と、
まあ、ややネタバレ的になりますが、
そういう大きな歴史の流れとなっていくのです。
そこを実にうまく切り取った波乱に満ちた愛の物語。
気に入りましたねえ・・・。
こういうのは大好きです。
ただ、この副題「愛と欲望の王宮」というのにはやや不満。
「欲望」というのはなんだか違うような気がします。
少なくともこのストーリー上でストルーエンセは、
権力を欲したわけではないですよね・・・。
ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮 [DVD] | |
マッツ・ミケルセン | |
アルバトロス |
「ロイヤル・アフェア 愛と欲望の王宮」
2012年/デンマーク/137分
監督:ニコライ・アーセル
出演:マッツ・ミケルセン、アリシア・ビカンダー、ミケル・ボー・フォルスガード、トリーネ・ディアホルム
歴史発掘度★★★★★
満足度★★★★★