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ハンガー・ゲーム2

2014年01月02日 | 映画(は行)
ストーリー性を堪能


* * * * * * * * * *

ハンガー・ゲームの第一作は、「殺人ゲーム」だなんて・・・と、
さして見る意欲がわかずに劇場では観ていません。
ところが後にDVDで観たところ、これが意外と面白かったのですね。
確かに、「バトルロワイヤル」なみに少年少女が殺しあうわけですが、
主人公が心優しく勇気ある少女、ということで、
なかなか魅力的でした。
さて、というわけで、この続編は劇場で観たのですが、
これが単なる二番煎じではなくて、
より大きくストーリーの膨らみを見せていて、引きつけられました。

→第一作「ハンガー・ゲーム」はこちら



独裁国家、パネムでのストーリー。
12の地区から選ばれた少年少女が最後の一人になるまで命をかけて戦うという「ハンガー・ゲーム」。 
先の大会で生きのびたカットニス(ジェニファー・ローレンス)の勇気ある行動が、
民衆に希望を与え、国家へ向けた革命の火種となっていきます。
このことをよく思わないスノー大統領(ドナルド・サザーランド)は、
今度の第75回ハンガー・ゲームでカットニスを抹殺しようとします。
すなわち、第75回大会は歴代ゲームの勝者24名を出場者とし、
グランドチャンピオン・バトルとするのです。
さて、カットニスとピーター(ジョシュ・ハッチャーソン)の運命は・・・!



今作、実際のバトルが始まる前段階にも、じっくり時間をかけています。
生き残ったカットニスとピーターが賞金を得、満ち足りているかといえばそうではなく、
死闘のトラウマに悩まされ、やりたくもない凱旋ツアーに駆り出される。
しかし二人が各地で見たのは
虐げられ、唯々諾々とパネム国の言いなりにならなければならない人々の姿。
そしてまた、人々が、カットニスを希望の象徴とし始めていること・・・。
そんな時に、再びあのゲームに出場せよという・・・。
勝者は一生安泰のはずではなかったのか・・・。
この思いは他の歴代の勝者たちにとっても同じなのです。
ここを読みきれなかったところが、スノーの敗因かもしれません。
今度のゲームはこの殺人ゲームをくぐり抜けてきた強者ばかり。
しかも、プルターク(フィリップ・シーモア・ホフマン)という新手のゲームメーカーは
ゲームの会場に仕掛けまで施し、
殺人者以外にも次から次へと“危険”を送り出してくる。

本作は出場者同士の闘いというよりも、
彼らと独裁者との対立という構造に変わっていくのです。
そして、思いがけないラストがそのまま、
明らかに“つづく”のエンディング。
なんだかボー然とさせられるところも心憎い。



もともと、無駄な(?)戦闘シーンが好きではないので、
本作はストーリー性を十分堪能することができて、私としては満足です。
それにしても、勇気がある強い女子。
心優しい男子。
やっぱり近頃はどこでもこんなふう?



「ハンガー・ゲーム2」
2013年/アメリカ/147分
監督:フランシス・ローレンス
出演:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、リアム・ヘムズワース、ウッディ・ハレルソン、フィリップ・シーモア・ホフマン、ドナルド・サザーランド

ドキドキ感★★★★☆
満足度★★★★☆