映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

マジック・マイク

2014年01月08日 | 映画(ま行)
「夜に生きるバンパイア」以外の人を忘れないで



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男性ストリッパーの物語・・・。
この題材、多分若いころならパスだったような気がするのですが、
全然イヤじゃない今、
確実に我が身のおばさん化が進んでいるような・・・。
まあ、いいか。
本作、チャニング・テイタムが
実際に若いころこのような店で働いていたという体験を元にしたそうです。



マイク(チャニング・テイタム)は、
男たちが夜ごと華やかなストリップショーを繰り広げるクラブの花型スター。
ある時、まだ若いアダム(アレックス・ペティファー)という青年を見出し、
彼をストリッパーとして育てることにします。
それと同時にアダムの姉ブルックとも知り合いますが、
彼女はいたってまともな勤め人。
弟がストリッパーということに戸惑いを見せますが、
それも一つの職業であると理解し、容認。
マイクは彼女と話をするうちに、次第に自分の人生を見つめなおすようになります。




私達が本作に共感できるのはこの姉の存在が大きいですね。
「夜に生きるバンパイア以外の人のことも忘れないで」
と彼女は言います。
これこそが、実のところは多くの人の感覚なのではないでしょうか。
確かに盛り上がり華やかな商売だけれど、
その反面に広がる闇の正体も次第に見えてきます。
オーダーメイドの家具店を開きたい。
マイクが本当にやりたいのはそういうことなのですが、
今の商売では信用がなく、銀行から融資を受けることもできません。



でも本作は職業の差別の話ではありません。
クラブの経営もいい。
だけどそのためにはこのクラブのオーナー(マシュー・マコノヒー)のような
計算高さと言うかしたたかさ、その覚悟が必要なのだろうな。
つまりは、マイクはまだストリップに対しても「本気」ではなかったのだと思います。
約30歳。
人生をやり直すにはまだまだ十分。
一方アダムはこのショービジネスに更にのめり込んでいくようですが、
そこが19歳という若さゆえなんですね。
それはそれでよし。



ところで本作、アレックス・ペティファーを見たくて選んだ作品だったと思うのですが、
それよりも、マシュー・マコノヒーがすごかったですね~。
セクシー度抜群。
そして実は食えない嫌なヤツだったりするのですが、
その存在感がスゴイ。
私は今後別の作品でこの方を見ても本作を思い出してしまいそうで、怖い。


「マジック・マイク」
2012年/アメリカ/110分
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:チャニング・テイタム、アレックス・ペティファー、マシュー・マコノヒー、コディ・ホーン、オリビア・マン
セクシー度★★★★★
満足度★★★★☆