映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

トランス

2014年03月17日 | 映画(た行)
ジグソーパズルのピースをはめるように



* * * * * * * * * *


競売人のサイモン(ジェームズ・マカボイ)は、
ギャングと結託してオークション会場から
ゴヤの名画「魔女たちの飛翔」を盗み出そうとします。

しかしなぜか彼が計画と違う行動をとったために、
ギャングのボス・フランク(バンサン・カッセル)に殴られ、
その衝撃で記憶が消えてしまい、
絵画の隠し場所がわからなくなってしまうのです。
やむなく、催眠療法でサイモンが絵画を隠した場所を探ろうとしますが・・・。
サイモンの心のなかにはいくつかの隠された扉があるようです。
その深層心理に絡む催眠療法士エリザベス(ロザリオ・ドーソン)の真の思惑は・・・?



実は本作、公開時に劇場で見たのですが、
あえなく陥落し居眠りをしてしまい、
何がなんだかよくわからないままで、とても記事にはできませんでした。
(こういう時の映画館を出るときの虚しさと自己嫌悪ときたら・・・!)
このたび見なおして、なるほど、よくできたストーリー。
ただし、居眠りすれば確かに、何がなんだかわからなくもなるはず。
巧みに真実を織り交ぜたサイモン本人にもわからない頭中の断片が、
ジグソーパズルのピースを当てはめるように次第にはっきりとしていくのが面白い。



はじめに見た時に、エリザベスが二人の男性を手玉に取りながら、
でも主人公を差し置いてフランクの方に気持ちがあるのが釈然としなかったのですが、
今回しっかり見て納得しました。

サイモンはギャンブル依存症ばかりでなく、一種の人格破綻者なわけですね。
しかし、こんなに色々と頭のなかを撹乱されては、ますます変になりそう。
お気の毒。
そして最後に浮かび上がるのは、したたかな女性の姿
こういうところも気に入りました。


トランス [DVD]
ジェームズ・マカヴォイ,ヴァンサン・カッセル,ロザリオ・ドーソン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


「トランス」
2013年/アメリカ・イギリス/101分
監督:ダニー・ボイル
出演:ジェームズ・マカボイ、ロザリオ・ドーソン、バンサン・カッセル、ダニー・スパーニ、マット・クロス
秘密の表明のしかた度★★★★★
満足度★★★★☆