彼を救ったのは・・・

* * * * * * * * * *
米海軍特殊部隊ネイビー・シールズ創設以来最大の惨事といわれる
「レッド・ウィング作戦」を描いています。
2005年。
アフガニスタン山岳地帯。
偵察活動中の4人のシールズ隊員たちが、山中で3人の山羊飼いと遭遇してしまいます。

このまま解き放せばタリバン軍に通報され、すぐに自分達に追手がかかるだろう。
だからといって武装もしていない一般人の彼らを殺すというのか・・・。
しかもその内の一人はまだ子供だ・・・。
4人は口論の末、彼らを解き放します。
山中で無線が通じず、援軍も得られないままに、
彼らの過酷な逃走が始まります。
200人を超すタリバン軍が瞬く間に彼らに追い付いてくる・・・。

多くの戦争映画がありますが、たいてい味方には弾は当たりません。
よほど運の悪い数人を除いて、何故かうまく銃弾をくぐり抜けます。
でも本作、当たるんですよ。
ビシ・バシと。
むこうも当てるつもりで撃っているのだから当然なのですが。
そして弾が当たったからといってそれで即、命が絶たれるわけではない。
脚が撃ちぬかれても、指が吹き飛ばされても・・・・生きています。
もちろん衛生兵などいるはずもなく、傷口に泥を詰めたりします・・・。
(出血を抑えるため、でしょうか?)
銃弾を浴び、崖から転げ落ち・・・生きているのが不思議なくらいですが、
さすがに一人、二人と命を落とし、
ついにはマーカス・ラトレル(マーク・ウォールバーグ)ひとりきりになってしまいます。

作品冒頭にネイビー・シールズの命がけの過酷な訓練の様子が描かれていますが、
こうした訓練があってこそ、ここまで生き延びたということが実感として伝わってきます。
それにしても多勢に無勢。
もはやこれまでと思った時に彼を救ったのは、意外にも・・・。

事の始まりは、彼ら4人のヒューマニズム。
非武装の民間人を殺すことなどできない。
それは軍規ではあるかも知れないけれど、
明らかに自分達の危機を招くことになると知りながらそれを行うというのは、
立派なことではありますが正しいのか・・・?
しかし、最後にマーカスが救われたのもやはりヒューマニズムなのですね。
いや、それは単に「掟」だったのかもしれませんが、
これとても自分達の身の危険を犯してまで守るべきことなのかどうか。
いずれにしても、助かった命に比べあまりにも多くの犠牲が払われたわけですが、
それでも感動せずにいられない。
戦場という場所にもあるヒューマニズム。
この芽をもっと大きく広げていければいいのに・・・。
実話と聞かなければ、そんなことあるわけがない、と思ってしまいそうですが、
リアルな戦闘シーンの末のラストに
胸が熱くなってしまいます。
この日は「オール・イズ・ロスト」と2本続けてみました。
どちらも生死を賭けたたった一人の戦い。
・・・疲れた。
2013年/アメリカ/121分
監督:ピーター・バーグ
出演:マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター、アリ・スリマン
戦闘のリアル度★★★★★
危険度★★★★★
満足度★★★★☆

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米海軍特殊部隊ネイビー・シールズ創設以来最大の惨事といわれる
「レッド・ウィング作戦」を描いています。
2005年。
アフガニスタン山岳地帯。
偵察活動中の4人のシールズ隊員たちが、山中で3人の山羊飼いと遭遇してしまいます。

このまま解き放せばタリバン軍に通報され、すぐに自分達に追手がかかるだろう。
だからといって武装もしていない一般人の彼らを殺すというのか・・・。
しかもその内の一人はまだ子供だ・・・。
4人は口論の末、彼らを解き放します。
山中で無線が通じず、援軍も得られないままに、
彼らの過酷な逃走が始まります。
200人を超すタリバン軍が瞬く間に彼らに追い付いてくる・・・。

多くの戦争映画がありますが、たいてい味方には弾は当たりません。
よほど運の悪い数人を除いて、何故かうまく銃弾をくぐり抜けます。
でも本作、当たるんですよ。
ビシ・バシと。
むこうも当てるつもりで撃っているのだから当然なのですが。
そして弾が当たったからといってそれで即、命が絶たれるわけではない。
脚が撃ちぬかれても、指が吹き飛ばされても・・・・生きています。
もちろん衛生兵などいるはずもなく、傷口に泥を詰めたりします・・・。
(出血を抑えるため、でしょうか?)
銃弾を浴び、崖から転げ落ち・・・生きているのが不思議なくらいですが、
さすがに一人、二人と命を落とし、
ついにはマーカス・ラトレル(マーク・ウォールバーグ)ひとりきりになってしまいます。

作品冒頭にネイビー・シールズの命がけの過酷な訓練の様子が描かれていますが、
こうした訓練があってこそ、ここまで生き延びたということが実感として伝わってきます。
それにしても多勢に無勢。
もはやこれまでと思った時に彼を救ったのは、意外にも・・・。

事の始まりは、彼ら4人のヒューマニズム。
非武装の民間人を殺すことなどできない。
それは軍規ではあるかも知れないけれど、
明らかに自分達の危機を招くことになると知りながらそれを行うというのは、
立派なことではありますが正しいのか・・・?
しかし、最後にマーカスが救われたのもやはりヒューマニズムなのですね。
いや、それは単に「掟」だったのかもしれませんが、
これとても自分達の身の危険を犯してまで守るべきことなのかどうか。
いずれにしても、助かった命に比べあまりにも多くの犠牲が払われたわけですが、
それでも感動せずにいられない。
戦場という場所にもあるヒューマニズム。
この芽をもっと大きく広げていければいいのに・・・。
実話と聞かなければ、そんなことあるわけがない、と思ってしまいそうですが、
リアルな戦闘シーンの末のラストに
胸が熱くなってしまいます。
この日は「オール・イズ・ロスト」と2本続けてみました。
どちらも生死を賭けたたった一人の戦い。
・・・疲れた。
2013年/アメリカ/121分
監督:ピーター・バーグ
出演:マーク・ウォールバーグ、テイラー・キッチュ、エミール・ハーシュ、ベン・フォスター、アリ・スリマン
戦闘のリアル度★★★★★
危険度★★★★★
満足度★★★★☆