人生のツケが回ってきたついてない一日

* * * * * * * * * *
舞台はベルリン。
しっかり現代の話ですが、モノクロ。
でもこれがすごくいい味になっています。
ニコ(トム・シリング)は、2年前に大学を中退し、
自堕落な毎日を送っています。
その日の朝、彼女が入れるコーヒーを飲み損ねてから、
調子が狂いっぱなし。
様々な人、様々な出来事に遭遇します。
車の免許が停止され、
同じアパートの住人に絡まれ、
父に退学がバレて送金を絶たれ・・・。
そして、面白いのは何故かこの日、
ずっと彼はコーヒーを飲むことができないのです。
決してコーヒーを飲むためにあちこち駆けずり回ったりはしないのですよ。
でも、ちょっと一息入れてコーヒーでも・・・という時はあります。
そんな時に何故かお金を持っていなかったり、
店のコーヒーが切れていたり、
自販機が故障していたり、
ポットがたまたま空だったり・・・。
水やお酒はあるのに、
何故かコーヒーだけは飲むことができない。
ニコにとって踏んだり蹴ったりのことばかりが起こるこの日は、
けれども彼のこれまでの人生のツケが
一気に回ってきただけのようにも思えるのです。
コーヒーにありつけないのがその象徴とでも言うように。

この構成には唸らされてしまいますね。
このコーヒーのくだりがなければ、
どこにでもある青春ドラマになってしまうところです。
けれど本作、ニコの困った状況を描写するだけではありません。
そこにはまた、出会ったいろいろの人たちの人生ドラマがあるのです。
時にはある友人のおばあちゃんに、ほんの束の間、癒やされたりもして。

この一日の結末というか仕上げもまた、普通ではありません。
決してハッピー・エンドではない。
けれども、きっと次の日からニコは変わっていくだろうなあ・・・と思わせますね。
本作、2013年ドイツアカデミー賞主要6冠を制覇。
それも納得でした!!

トム・シリング、いいですねえ・・・。
すっかりファンになってしまいました。
「コーヒーをめぐる冒険」
2012年/ドイツ/85分
監督・脚本:ヤン・オーレ・ゲルスター
出演:トム・シリング、マルク・ホーゼマン、フリーデリッケ・ケンプター、ユストゥス・フォン・ドーナニー、ウルリッヒ・ノエテン
不運度★★★★☆
満足度★★★★★

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舞台はベルリン。
しっかり現代の話ですが、モノクロ。
でもこれがすごくいい味になっています。
ニコ(トム・シリング)は、2年前に大学を中退し、
自堕落な毎日を送っています。
その日の朝、彼女が入れるコーヒーを飲み損ねてから、
調子が狂いっぱなし。
様々な人、様々な出来事に遭遇します。
車の免許が停止され、
同じアパートの住人に絡まれ、
父に退学がバレて送金を絶たれ・・・。
そして、面白いのは何故かこの日、
ずっと彼はコーヒーを飲むことができないのです。
決してコーヒーを飲むためにあちこち駆けずり回ったりはしないのですよ。
でも、ちょっと一息入れてコーヒーでも・・・という時はあります。
そんな時に何故かお金を持っていなかったり、
店のコーヒーが切れていたり、
自販機が故障していたり、
ポットがたまたま空だったり・・・。
水やお酒はあるのに、
何故かコーヒーだけは飲むことができない。
ニコにとって踏んだり蹴ったりのことばかりが起こるこの日は、
けれども彼のこれまでの人生のツケが
一気に回ってきただけのようにも思えるのです。
コーヒーにありつけないのがその象徴とでも言うように。

この構成には唸らされてしまいますね。
このコーヒーのくだりがなければ、
どこにでもある青春ドラマになってしまうところです。
けれど本作、ニコの困った状況を描写するだけではありません。
そこにはまた、出会ったいろいろの人たちの人生ドラマがあるのです。
時にはある友人のおばあちゃんに、ほんの束の間、癒やされたりもして。

この一日の結末というか仕上げもまた、普通ではありません。
決してハッピー・エンドではない。
けれども、きっと次の日からニコは変わっていくだろうなあ・・・と思わせますね。
本作、2013年ドイツアカデミー賞主要6冠を制覇。
それも納得でした!!

トム・シリング、いいですねえ・・・。
すっかりファンになってしまいました。
![]() | コーヒーをめぐる冒険 [DVD] |
トム・シリング,フリデリーケ・ケンプター,マルク・ホーゼマン,カタリーナ・シュットラー,ミヒャエル・グヴィスデク | |
ポニーキャニオン |
「コーヒーをめぐる冒険」
2012年/ドイツ/85分
監督・脚本:ヤン・オーレ・ゲルスター
出演:トム・シリング、マルク・ホーゼマン、フリーデリッケ・ケンプター、ユストゥス・フォン・ドーナニー、ウルリッヒ・ノエテン
不運度★★★★☆
満足度★★★★★