孤独な少年の世界が広がっていく

* * * * * * * * * *
羽海野チカさんコミックの映画化。
コミックは娘が買っていたので、私も読んでいたのですが、
彼女が家を出たので、その後読まないまま。
ストーリーもあまり良くは覚えていなくて、
しかしこれは映画を見るにはとても良い条件だったわけです。

そしてこの日私は前編、後編続けて一気に見てしまいました。
これ、一番いいですよ。
後編を見るときに前のことはしっかり覚えている。
その世界に入るのに容易。
シネコンだと後編公開時に、まだちゃんと前編も上映しているのでした。
一日一回だけですが。
今後もこの手は使えそう。

さて、将棋の世界を背景としたストーリー。
以前みた「聖の青春」でもおなじみの将棋会館が、また登場。
なんだか実物の建物を見に行きたくなってしまいました。

桐山零(神木隆之介)は、幼いころ交通事故で父母と妹を亡くし、
父の友人である棋士・幸田(豊川悦司)に引き取られます。
そこで彼は一人生きるために必死で将棋を続け、ついに中学生でプロ棋士になります。
しかし同じくプロ棋士を目指していた幸田の長女・香子(有村架純)、長男と
折り合いがつかず、家を出て一人暮らし。
高校と将棋会館を行き来する毎日です。
特に親しい友人もなく、できることは将棋しかない孤独な日々。
そんなある日、和菓子屋を営む川本家の3姉妹と知り合い、
家に呼ばれてご飯を食べさせてもらったりするうちに、
零は自分の居場所を見出していきます。

まず、零があんな子供の頃に家族すべてをなくしてしまうというところで、
すでに泣きそうなわけですが、
あの家に引き取られたのは幸いというよりもむしろ不幸のようにも思えてしまう。
ハナから兄弟関係はピリピリし通し。
幸田氏は基本的に優しい人ではあるけれど、父親と言うよりは師匠。
彼は自分の子どもたちに対してまで“師匠”なのが不幸の元かも知れない。
しかし、零は彼が自分で思っているほどの天涯孤独ではない、
という状況が見えてきますね。
川本家の3人姉妹は彼が大好きで、なんといっても和みます。
学校では林田先生(高橋一生)が何かと彼を気遣ってくれている。

同じ棋士の二階堂(染谷将太)は、厚かましいくらいに零に親しげ。
そして、ものすご~く感じの悪い血の繋がらない姉・香子までもが
ちょくちょくやってきては嫌がらせを言って帰っていくというのも、
屈折した彼女の感情表現のようにも思えてきます。
しかし、今はまだ零は迷い路の中にいる。
零は、将棋の世界はもとより、彼自身の成長の階段を少しづつ歩み始めているわけです。

染谷将太さんの太り具合には驚かされますが、これは特殊メイクとのこと。
う~ん、でも全く作り物には見えなかった。
すごいですね、今の技術は。
難病を抱える太り気味の棋士。
二階堂は村山聖氏をイメージしているのかもしれません。
それから、姉、香子なのですが・・・。
私にはどうしても有村架純ちゃんが可愛らしすぎて、
このいや~な感じの姉とイメージが重ならず・・・。
ここは違う人のほうがよかったな~と思ってしまいました。
演技の問題じゃないんです。
彼女のふっくりした頬のあたりが、どう見ても幸せそうなんですもの・・・。

ということで、本編は零くんの身辺固めという雰囲気。
事件は、後編で起こります。
「3月のライオン 前編」
2017年/日本/138分
監督:大友啓史
原作:羽海野チカ
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、佐々木蔵之介、高橋一生、加瀬亮
満足度★★★★☆

* * * * * * * * * *
羽海野チカさんコミックの映画化。
コミックは娘が買っていたので、私も読んでいたのですが、
彼女が家を出たので、その後読まないまま。
ストーリーもあまり良くは覚えていなくて、
しかしこれは映画を見るにはとても良い条件だったわけです。

そしてこの日私は前編、後編続けて一気に見てしまいました。
これ、一番いいですよ。
後編を見るときに前のことはしっかり覚えている。
その世界に入るのに容易。
シネコンだと後編公開時に、まだちゃんと前編も上映しているのでした。
一日一回だけですが。
今後もこの手は使えそう。

さて、将棋の世界を背景としたストーリー。
以前みた「聖の青春」でもおなじみの将棋会館が、また登場。
なんだか実物の建物を見に行きたくなってしまいました。

桐山零(神木隆之介)は、幼いころ交通事故で父母と妹を亡くし、
父の友人である棋士・幸田(豊川悦司)に引き取られます。
そこで彼は一人生きるために必死で将棋を続け、ついに中学生でプロ棋士になります。
しかし同じくプロ棋士を目指していた幸田の長女・香子(有村架純)、長男と
折り合いがつかず、家を出て一人暮らし。
高校と将棋会館を行き来する毎日です。
特に親しい友人もなく、できることは将棋しかない孤独な日々。
そんなある日、和菓子屋を営む川本家の3姉妹と知り合い、
家に呼ばれてご飯を食べさせてもらったりするうちに、
零は自分の居場所を見出していきます。

まず、零があんな子供の頃に家族すべてをなくしてしまうというところで、
すでに泣きそうなわけですが、
あの家に引き取られたのは幸いというよりもむしろ不幸のようにも思えてしまう。
ハナから兄弟関係はピリピリし通し。
幸田氏は基本的に優しい人ではあるけれど、父親と言うよりは師匠。
彼は自分の子どもたちに対してまで“師匠”なのが不幸の元かも知れない。
しかし、零は彼が自分で思っているほどの天涯孤独ではない、
という状況が見えてきますね。
川本家の3人姉妹は彼が大好きで、なんといっても和みます。
学校では林田先生(高橋一生)が何かと彼を気遣ってくれている。

同じ棋士の二階堂(染谷将太)は、厚かましいくらいに零に親しげ。
そして、ものすご~く感じの悪い血の繋がらない姉・香子までもが
ちょくちょくやってきては嫌がらせを言って帰っていくというのも、
屈折した彼女の感情表現のようにも思えてきます。
しかし、今はまだ零は迷い路の中にいる。
零は、将棋の世界はもとより、彼自身の成長の階段を少しづつ歩み始めているわけです。

染谷将太さんの太り具合には驚かされますが、これは特殊メイクとのこと。
う~ん、でも全く作り物には見えなかった。
すごいですね、今の技術は。
難病を抱える太り気味の棋士。
二階堂は村山聖氏をイメージしているのかもしれません。
それから、姉、香子なのですが・・・。
私にはどうしても有村架純ちゃんが可愛らしすぎて、
このいや~な感じの姉とイメージが重ならず・・・。
ここは違う人のほうがよかったな~と思ってしまいました。
演技の問題じゃないんです。
彼女のふっくりした頬のあたりが、どう見ても幸せそうなんですもの・・・。

ということで、本編は零くんの身辺固めという雰囲気。
事件は、後編で起こります。
「3月のライオン 前編」
2017年/日本/138分
監督:大友啓史
原作:羽海野チカ
出演:神木隆之介、有村架純、倉科カナ、染谷将太、清原果耶、佐々木蔵之介、高橋一生、加瀬亮
満足度★★★★☆