映画と本の『たんぽぽ館』

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「晴れても雪でも キミコのダンゴ虫的日常」 北大路公子

2017年05月30日 | 本(エッセイ)
「アレ」のない季節のなんと平和なこと・・・

晴れても雪でも キミコのダンゴ虫的日常 (集英社文庫)
北大路 公子
集英社


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冬は毎日繰り返される雪かき、
春はブルブルふるえながらお花見、
夏至が過ぎたら冬を恐れ、
秋は迫りくる冬の気配を全力で無視する…。
本当に判で押したように、毎年変わらないキミコの日常。
ビールも凍る試される大地(北海道)での、
雪と酒と妄想まみれの日々をつづった爆笑&脱力日記の第2弾。
ゆるゆる~と生活していても人生には彩りがある!
生きる希望が湧いてくる、そんな一冊をあなたに。

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キミコさんの日記、最新版。
う~ん、少しマンネリ気味かもという気もしてきました。
けれども、変わってきているのは、
彼女の仕事が以前より忙しくなってきているように見受けられること。
ひたすらぐうたらと思われた(?)著者ではありますが、
遊びの誘いを断らなければならないほど仕事が増えてきたというのは、
めでたいことではありませんか。
時にはそういう決断も必要である。
仕事というのはそういうものですもんね・・・。


さて、キミコさんはひたすら冬をキライます。
あの、冬になると空から降ってくる白くて冷たいものを「アレ」と呼び、
忌み嫌っているのです。
万が一本当の名前を口に出せば、「アレ」を呼び寄せてしまうから・・・。
あっぱれな言霊信仰。
でも同じ札幌に住む私にはその気持はよくわかります。
「アレ」のない季節のなんと平和なこと・・・。
そこで私は非常に親近感を抱いてしまうわけです。


そして、いいなあと思うのは、
よく友人たちと車で旅をして、昼間から車内でビールを飲んで盛り上がっていること。
しかしこれは相当ボランティア精神に富んだ運転手が必要ですよね・・・。
なかなかできることではありません。
こんな友人がいるということだけでも相当ラッキーと思うべきでしょう。


「晴れても雪でも キミコのダンゴ虫的日常」 北大路公子 集英社文庫
満足度★★★☆☆