映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

ブロークバック・マウンテン

2017年05月05日 | 映画(は行)
求めて止まない魂の結びつき



* * * * * * * * * *

本作は公開時に見ていますが、再視聴。
2006年第78回アカデミー賞、監督賞、脚本賞、音楽賞受賞作品。
久しぶりにヒース・レジャーに会いたくなりまして・・・。


1960年代アメリカ、ワイオミング。
イニス(ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)、
二人の青年がひと夏、山で羊の番をする仕事を得ました。
ブロークバック・マウンテンの人里離れた山中。
二人だけで過ごすうちにいつしか衝動にかられ、二人は愛し合うようになります。
秋になり山を降りた二人。
それぞれに結婚をし、子どももできますが、
互いのことを忘れることができません。
時折密かに会ってともに過ごすようになりますが・・・。


今ならしょうもないなあ・・・くらいのことなのかもしれません。
けれど当時、同性同士のそのような行為は反社会的なことでした。
下手をすればリンチに遭う可能性も。
だから、二人は関係をひたすら秘密にしなければならなかった。



けれども山の中で愛し合う二人、
そして互いに家庭を持ちながらも求めて止まない二人の魂の結びつきに、
心打たれてしまいます。
12年前、私がこれを見たときには若干の嫌悪感もあったような気がします。
でも今回、そういうのはなかったなあ・・・。
その後、散々そういう作品を見たからかもしれないし、
また、世の中も更にそういう風潮を認めるように変わってきた、
ということもありそうです。
そして今は亡きヒース・レジャーへの郷愁もあり・・・。


双方奥さんがいて、また時には他の女性にちょっかいを出してみることもあったりするのですが、
そのことはお互いに気にならないようなのです。
けれども、ある時ジャックがイニスと会えない心の乾きを埋めるために
メキシコへ行き、男娼を買うのですね。
そのことを知ったイニスは、「今度同じことをしたら殺す」というのです。
日頃寡黙なイニスのこのセリフ。
ぐっと来ますねえ・・・。


本作の出演俳優が他にアン・ハサウェイにミシェル・ウィリアムズ。
いま、第一線で活躍している方ばかりです。
それなのに、ヒース・レジャーだけがいない。
もし存命ならば、どんな素晴らしい作品を見ることができただろうか・・・。
つい、タラレバしてしまいます。
バッドマンに出てきたヒース・レジャーもすごかったですが、
やはり本作のヒース・レジャーが、うらぶれたおっさん風だけれど、ステキです♡

「ブロークバック・マウンテン」
2005年/アメリカ/134分
監督:アン・リー
出演:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ

同性愛度★★★★★
満足度★★★★★