映画と本の『たんぽぽ館』

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ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

2017年05月24日 | 映画(は行)
魅力的な、魔法使いワールド



* * * * * * * * * *

あの「ハリー・ポッター」と背景を同じくする物語。
実のところ、もう見なくてもいいかと思い公開時には見ていなかったのですが、
暇つぶしくらいにはなるかという軽い気持ちで見たのです。
でもこれが意外に面白かった。



舞台は90年前のニューヨーク。
ちょっぴりノスタルジックなこの時代背景は、雰囲気があっていいですね。
90年前ということで、
まだハリー・ポッターも、その親の世代さえも生まれていない時期。
ホグワーツ魔法魔術学校の指定教科書である「幻の動物とその生息地」編纂者であり
魔法動物学者、ニュート・スキャマンダー(エディ・レッドメイン)が
船でニューヨークにやって来るところから物語は始まります。
彼は大きなカバンを持っているのですが、その中には色々な魔法生物が入っているのです。
そして、そこから動物たちが逃げ出してしまい・・・。
大騒動となりそうですが、
実は本当に大変なことになるのは別の魔法の生き物の方なのです・・・。



ハリー・ポッターのロンドンと同じく、
人間と魔法使いは住み分けが行われていて、
魔法使いは通常人間たちからは隠れています。
しかし、密かに魔法使いの存在を嗅ぎつけて、糾弾ようとする人がいたり、
またニューヨークの魔法省の中でも良からぬ企みを持つモノがいたりして、
なかなか複雑な社会の様相を見せているのです。



そんな中で、ニュートが友人となり、協力関係を結ぶのは一人の人間と、
二人の魔法使い姉妹。
この人間の友人が少年とか少女ではなくて、
一見して冴えない普通のおじさん・ジェイコブ(ダン・フォグラー)です。
たまたま銀行で出会っただけの。
でも、そこが本作の一番の魅力。
魔法動物を面白がる柔軟な心の持ち主。
パン屋を開くのが夢の素敵なおじさんです。
こんなところが、本作が子供だけでなく大人が見ても楽しめる要因なのかも。





そうそう、肝心のニュートの人物造形も良いのでした。
勇気あるヒーローなんかではありません。
なにやら気弱な感じでちょっぴりドジ。
でも動物たちのことが大好きで大事に思っていることがひしひしと伝わる。
まあ、やっぱり学者なんですよね。
これが、エディ・レッドメインにピッタリ。
そして、ある邪悪な存在の正体については、ミスリードされていて、
このどんでん返し的なところも面白かった。
多くの魔法動物たちの映像も、もちろん楽しめて・・・、
全く退屈しないで楽しんでみてしまいました。
本家ハリー・ポッターよりも面白かったかも。



最後の最後にほんのチョッピリ登場したジョニー・デップには
つい笑ってしまいましたけれど。

ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅 [DVD]
エディ・レッドメイン,キャサリン・ウォーターストン,アリソン・スドル,ダン・フォグラー,コリン・ファレル
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント


「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
2016年/アメリカ/133分
監督:デビッド・イェーツ
出演:エディ・レッドメイン、キャサリン・ウォーターストン、ダン・フォグラー、アリソン・スドル、エズラ・ミラー、コリン・ファレル

ファンタスティック度★★★★☆
友情度★★★★☆
満足度★★★★☆