映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

居酒屋ゆうれい

2020年04月09日 | 西島秀俊

約束を破られたので、出てきたゆうれい・・・

* * * * * * * * * * * *

本作は西島秀俊さん出演作なので、ぴょこぴょこコンビでお送りしま~す。
えーと、ほら、西島秀俊さん作品を集中してみていた時期があったでしょう。
2014年ころだね。
そのときに西島秀俊さん映画初出演のこの作品も見たかったのだけれど、
 TSUTAYAのレンタルでも見当たらなかったんだよね。
 それがこの度WOWOWで、萩原健一さんの特集の一つとして放映されたので、
 チャンス!!でした。

 

ストーリーは、居酒屋かづさ屋の主人・壮太郎(萩原健一)が妻・しず子(室井滋)を病で亡くします。
 その死の間際、しず子が死んでも決して再婚しないと壮太郎は約束したのです。
 もし約束を破ったら、きっとあの世から舞い戻って出てくると、しず子は言い残す。
 さてそのしず子の死後、壮太郎は兄夫婦に強引にお見合いをさせられます。
 ところが思いのほかその相手・里子(山口智子)を気に入ってしまい、再婚。
 すると、本当に出てきたのです。
 しず子が幽霊となって・・・。

 

と言うところで、これは怪談かと思えばコメディーなんだね。
そうだね、さほど怖さを強調はしていない。
 それでも初めのうち壮太郎と里子は恐怖に震えるのですが、
 しず子があまりにもあけすけに話しかけるし、頻繁に出没するものだから
 次第になじんできてしまう。
幽霊のしず子は恨みを晴らすとか、たたるとか、そういう発想はないのね。
そう、実にあっけらかんとしています。
 本来敵同士のはずの里子とも何やら親しんでしまう。
で、そういう事件と同時進行で、
 ここの居酒屋を訪れる人々の人間模様をも描き出しているわけ。
 常連さんの、博打好きが原因で奥さんに逃げられた男とか、
 家出をしてきた男性とか・・・。
それが、店主のお人柄からか、なんとなく問題が良い方に動いていくというのは、
 「深夜食堂」的でもあるね。
 で、西島秀俊さんは・・・。


1994年作品ですよ! わ~、若いっ!!
 酒屋の息子で、軽―いお兄ちゃんです。
 さすがに近年こんな役はないよなあ。
 こういう若いときならではの役の西島秀俊さんが見られて、なんともシアワセ
もちろん本作のショーケン、萩原健一さんも懐かしく、ステキです。
 なんて言うんだろ、軽すぎず、重すぎず、飄々としているようで、でも愛嬌もある。
 これも彼でしか出せない持ち味ではありました!

それとこの作品、登場人物がやけに豪華なんだよねえ。
これまであげたほかに、三宅裕司さん、橋爪功さん、豊川悦司さん、
 余貴美子さん、尾藤イサオさん、角替和枝さん・・・、
 今、重鎮として活躍されている方ばかり。
だから今見てもなかなか見応えのある作品でした~。

<WOWOW視聴にて>
「居酒屋ゆうれい」
1994年/日本/110分
監督:渡邊孝好
原作:山本昌代
出演:萩原健一、山口智子、室井滋、三宅裕司、西島秀俊

西島秀俊の魅力度★★★★☆
人情度★★★★☆
満足度★★★★☆