映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

クーデター

2020年04月20日 | 映画(か行)

異国で四面楚歌

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東南アジアの某国へ、支援事業のため妻と2人の娘を連れ
アメリカからやってきたジャック(オーウェン・ウィルソン)。
到着した翌朝に、国を転覆するクーデターが起こります。
政府の要人は殺害され、政府と外国人をターゲットとした容赦ない殺戮が始まります。

言葉も通じず、土地勘もないところで、ジャックは家族を守りつつ逃走を開始します。
その途中、前日に飛行機内で知り合った謎の旅行者ハモンド(ピアース・ブロスナン)に助けられますが・・・。



なんとも恐ろしいストーリー。
家族連れのわくわく感で彩られるはずの一日が、
あっという間に悪夢のような一日に変貌します。
突如牙をむき始める住民たち。
外国人と見れば即射殺、しかも集団で・・・という状況は
妻と幼い娘を抱える身にとってはいかにも厳しい・・・。
ただの会社員であるジャックですが、身を守るためについに殺人をも犯さざるを得ない。



そんな中、ハモンドはいかにも歴戦の人物という感じ。
顔つきは穏やかなれど、ただ者ではない。
そりゃ007ですもんねえ・・・。
まあそれを意識したかどうかはわかりませんが、
本作での彼は、欧米の利益のためにこの国で諜報活動をしていた・・・という役柄なのであります。
しかしつまり、その欧米資本家の欲得が、
この国のクーデターを呼び起こしたのだと、彼は冷静に分析している。
そこがなければ、ただのパニックストーリーだったと思いますが、
これで若干話が締まりました。

ジャックの妻も、ただ逃げ惑い泣き叫ぶのではなく、
夫と子どもたちのためならただならぬ勇気と力を発揮する、現代の女。
かっこよかったです。

<WOWOW視聴にて>
「クーデター」
2015年/アメリカ/101分
監督:ジョン・エリック・ドゥードル
出演:オーエン・ウィルソン、レイク・ベル、ピアース・ブロスナン、スターリング・ジュリンズ、クレア・ギア

恐怖度★★★★☆
家族愛度★★★★☆
満足度★★★☆☆