映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

家族のレシピ

2020年04月26日 | 映画(か行)

日本とシンガポール外交樹立50周年記念

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2016年、シンガポールと日本の外交関係樹立50周年記念として作られた作品。
日本とシンガポール、それぞれのソウルフードである
ラーメンと肉骨茶(バクテー)がつなぐ国境を越えた家族愛を描きます。

高崎市でラーメン店を営む真人(斎藤工)。
父の死後、遺品の中から一冊の古いノートを見つけます。
それは真人が10歳の時に亡くなったシンガポール人の母が書いた日記。
料理のレシピや写真なども挟み込んであります。
忘れかけた記憶を埋めるため、真人はシンガポールへ旅発ちます。
そしてそこで真人は、シンガポール在住のフードブロガー美樹(松田聖子)のサポートで、
バクテーの店を営む叔父(母の弟)と再開。
これまで知らなかった家族の歴史と向き合うことになります。

まだ若くして亡くなった真人の母は、日本人との結婚を母親に大反対され、
そのまま縁を切ったようになっていたことが悲しく、心残りだったのです。
ではなぜ祖母はそんなにも娘の結婚に反対したのか。
それこそは、日本とシンガポールの悲しい歴史が原因。
なるほど、「外交関係樹立」の背景に、
到底外交関係など結びがたいというシンガポール側の心情があった訳ですね。
そこで、両国を結ぶ存在として真人がいるわけです。



シンガポールの料理の味は、真人にとって母の料理の味。
最後に、祖母が作った料理を真人が食べるシーン。
それこそが、祖母から母に伝えられ、真人が馴染んでいたあの母の味。
ただ無言で知らず涙を流しつつひたすら料理を頬張る斎藤工さんの演技、泣かされました。
素晴らしい!! 
さすがです。

それにしてもシンガポールの料理、おいしそうでした~。
バクテー、食べてみたいです!!

斎藤工さんが出ていることを知りつつ、公開時に見ていなかったのは、
実は松田聖子さんが出ているせい。
私はこの方が苦手なのです。
・・・が、まあ、それほど悪くはなかった。
でもラストシーンが気になるのですが、日本にやってきた美樹と真人はLOVE♡なのですか? 
いや、まさか・・・。
そうだとしたら、絶対イヤ!!

<WOWOW視聴にて>
「家族のレシピ」
2017年/シンガポール・日本・フランス/89分
監督:エリック・クー
出演:斎藤工、マーク・リー、ジネット・アウ、伊原剛志、松田聖子

外交樹立50周年記念度★★★★★
シンガポール料理照会度★★★★☆
満足度★★★★☆