心が解きほぐされていく・・・
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古びた印刷所「三日月堂」が営むのは、昔ながらの活版印刷。
活字を拾い、依頼に応じて一枚一枚手作業で言葉を印刷する。
そんな三日月堂には色んな悩みを抱えたお客が訪れ、
活字と言葉の温かみによって心を解きほぐされていくが、
店主の弓子も何かを抱えているようで―。
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ほしおさなえさんのこのシリーズ、長く楽しめそうなので読み始めました。
「三日月堂」は、昔ながらの活版印刷の店です。
活字を一つ一つ拾い組んで印刷するという、
今では珍しい印刷の文字の手触りが懐かしくもあり、また新鮮でもある。
亡き祖父からこの店を受け継いだ弓子が、店を訪れる様々な人と関わり合いながら、
それぞれの悩みを和らげて行きますが、
それと同時に弓子自身も癒やされ、生きがいを見つけていきます。
優しく温かみのあるストーリー。
読んでいくこちらの心も癒やされていくようです。
祖父が亡くなってから、しばらく放置されていたこの店に、
弓子は始めただ住むだけのつもりだったのです。
ところがある人の依頼で名入りのレターセットを試しに印刷してみたことから始まって、
少しずつ人の輪が広がっていき、活版印刷業が成り立つようになっていく。
いいですよねえ。
本巻の三日月堂のお仕事
・レターセット
・珈琲店のショップカードとコースター
・ワークショップにて栞作成
・結婚式の案内状
三日月堂があるのは川越市。
大きすぎず、歴史あるこの町の片隅にひっそりとあるというのがまた、雰囲気があります。
作中に出てくる珈琲店「桐一葉」もステキです。
行ってみたい!!
なんだか、あっという間に読んでしまいました。
即、次巻に行きましょう!!
図書館蔵書にて
「活版印刷三日月堂 1」ほしおさなえ ポプラ文庫
満足度★★★★☆