本国では迷子の子供のような・・・
* * * * * * * * * *
楽しみにしていたイーストウッド作品。
でも何だねえ、本作はかなり重いから、
私ら ぴょこぴょこコンビでいいの?って気がするけど。
だってクリント・イーストウッド出演及び監督作品は私らで、
ってことにしちゃったんだからさ、がんばろうよ。
はいはい。では気合を入れて。
これは、米軍史上最強の狙撃手と言われるクリス・カイルのベストセラー自伝を映画化したものだね。
先日の「フォックスキャッチャー」といい、本作といい、
やっぱり“事実”の重みがモノを言う気がするね。
そうだねえ。どちらも、結末があまりにも予測不能で、
これがフィクションだったら怒ってしまうところかもしれないね。
でも、実際にあったことだから・・・。
だけれど、どうしてそんなことになってしまったのかは、
ちゃんと納得できるようにじっくり描かれているわけだね、双方とも。
そういうこと。この二作は甲乙つけがたく、ガツンと心に響く作品でありました。
さて、このクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)、
2003年~2009年の間に4回もイラクに派遣されてるね。
きっかけはあの9.11同時多発テロ。
もともと「弱いものを守れ」と父に言われて育った彼は、
アメリカは自分が守る、とばかりに米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊。
結婚直後にすぐ1回めのイラクに行ってる。
彼は天才的な狙撃手でなんと160人を殺したという・・・。
別に殺人鬼じゃないよ。
敵を倒さなければ味方がやられるから、正義感に燃えて弾丸を放ったわけだ。
けれど自分だっていつ敵にやられるかわからない。
絶え間ない緊張感にさらされるんだね。
そんな彼が平和な米本国に帰還すれば・・・。全くの別世界。
本来はその平和に浸りきれるはずなんだ。
最愛の妻と子どもたちがいて。
これはね、絶えず危険に晒されて緊張感を保ち続けた生活を続けていると、
この全く緊張のない生活は、空虚で現実味のないものに
感じるんじゃないかなあ・・・と私は想像するわけだ。
少し前に見た「アルマジロ」もそうだったよね。
せっかく生還した兵士たちが、また戦場に戻っていくケースが
とても多いということだった。
実際、カイルは米国の社会には全然溶け込めない。
戦場ではあんなに頼もしく見えるのに、
アメリカに返った彼はまるで迷子の子供のようだ・・・。
戦争がどんなふうに人の心を蝕んでいくのかが、よく分かるよ・・・。
怪我のように目には見えないから余計たちが悪いね。
カイルにとって、最期の闘いの、あの砂嵐のシーンは凄かったねえ・・・。
というかほとんど何も見えなかったけどね。
でもまあ、あの砂嵐のお陰で助かったようなもんだからね。
あんな銃弾の飛び交う中で、家族と電話できちゃうというのもすごいよねえ。
二次大戦の映画なんかでは考えられないね。
電話してる最中に相手が撃たれて亡くなってしまったりしたら、
電話の相手も救われないなあ。
すごく遠いのに、近いんだよ。
なんだかおかしな世の中になっちゃったなあ。
そして、無音のエンディング・クレジット。
これはね、すごく効果的だったような気がする。
どんな音楽もここは虚しいだけ。
実際、無音の中でも最期まで座っている人が多かったね。
というか、放心して動けなかったんだよ、私なんかは。
いや、ホントにすごい作品でした。
「アメリカン・スナイパー」
2014年/アメリカ/132分
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン、ケビン・ラーチ
緊迫度★★★★☆
満足度★★★★★
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楽しみにしていたイーストウッド作品。
でも何だねえ、本作はかなり重いから、
私ら ぴょこぴょこコンビでいいの?って気がするけど。
だってクリント・イーストウッド出演及び監督作品は私らで、
ってことにしちゃったんだからさ、がんばろうよ。
はいはい。では気合を入れて。
これは、米軍史上最強の狙撃手と言われるクリス・カイルのベストセラー自伝を映画化したものだね。
先日の「フォックスキャッチャー」といい、本作といい、
やっぱり“事実”の重みがモノを言う気がするね。
そうだねえ。どちらも、結末があまりにも予測不能で、
これがフィクションだったら怒ってしまうところかもしれないね。
でも、実際にあったことだから・・・。
だけれど、どうしてそんなことになってしまったのかは、
ちゃんと納得できるようにじっくり描かれているわけだね、双方とも。
そういうこと。この二作は甲乙つけがたく、ガツンと心に響く作品でありました。
さて、このクリス・カイル(ブラッドリー・クーパー)、
2003年~2009年の間に4回もイラクに派遣されてるね。
きっかけはあの9.11同時多発テロ。
もともと「弱いものを守れ」と父に言われて育った彼は、
アメリカは自分が守る、とばかりに米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊。
結婚直後にすぐ1回めのイラクに行ってる。
彼は天才的な狙撃手でなんと160人を殺したという・・・。
別に殺人鬼じゃないよ。
敵を倒さなければ味方がやられるから、正義感に燃えて弾丸を放ったわけだ。
けれど自分だっていつ敵にやられるかわからない。
絶え間ない緊張感にさらされるんだね。
そんな彼が平和な米本国に帰還すれば・・・。全くの別世界。
本来はその平和に浸りきれるはずなんだ。
最愛の妻と子どもたちがいて。
これはね、絶えず危険に晒されて緊張感を保ち続けた生活を続けていると、
この全く緊張のない生活は、空虚で現実味のないものに
感じるんじゃないかなあ・・・と私は想像するわけだ。
少し前に見た「アルマジロ」もそうだったよね。
せっかく生還した兵士たちが、また戦場に戻っていくケースが
とても多いということだった。
実際、カイルは米国の社会には全然溶け込めない。
戦場ではあんなに頼もしく見えるのに、
アメリカに返った彼はまるで迷子の子供のようだ・・・。
戦争がどんなふうに人の心を蝕んでいくのかが、よく分かるよ・・・。
怪我のように目には見えないから余計たちが悪いね。
カイルにとって、最期の闘いの、あの砂嵐のシーンは凄かったねえ・・・。
というかほとんど何も見えなかったけどね。
でもまあ、あの砂嵐のお陰で助かったようなもんだからね。
あんな銃弾の飛び交う中で、家族と電話できちゃうというのもすごいよねえ。
二次大戦の映画なんかでは考えられないね。
電話してる最中に相手が撃たれて亡くなってしまったりしたら、
電話の相手も救われないなあ。
すごく遠いのに、近いんだよ。
なんだかおかしな世の中になっちゃったなあ。
そして、無音のエンディング・クレジット。
これはね、すごく効果的だったような気がする。
どんな音楽もここは虚しいだけ。
実際、無音の中でも最期まで座っている人が多かったね。
というか、放心して動けなかったんだよ、私なんかは。
いや、ホントにすごい作品でした。
「アメリカン・スナイパー」
2014年/アメリカ/132分
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパー、シエナ・ミラー、ルーク・グライムス、ジェイク・マクドーマン、ケビン・ラーチ
緊迫度★★★★☆
満足度★★★★★
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