明日は地区大会リハーサル、ってことで、今日は学校で最後の稽古。今日もまずは部員全員を集めて台本の直しを伝える。
そうなんだ、このところ毎日やってる。昨日まではただひたすら切って削ってこそぎ落とすことに精を出していたんだけど、今日は、シーンの復活、せりふの追加を指示した。なんせ、削り過ぎちまったからね。あと2分くらいはのばしてもいいよな、じゃぁなに生かす?ギャグかコントか?って朝方夢うつつの中で考えていたら、はたと思い当たったんだ。そう、削っちゃいけないシーン削ってたんだ。
主人公が聞いてもいないことを知っていることになっちまってたんだ。いや、恐ろしや恐ろしや。やみくもにせりふ削ってるとこういう失敗をついついしてしまうんだ。ほら、こっちの頭にはすでに全体構造がびたっと入ってるからね。なんか登場人物もわかってて当然って気になってしまうんだね。
ということで、削ったせりふとシーンを復活。さらに、新しいアイディアも浮かんだので、それも付け加えた。いいのか本番直前にそんな荒療治して?そうね、以前だったらぜったいやらなかった。でも、今はこの程度の手直し、直前どころか、本番10分前だってできる?本当か?10分前はオーバーだけど、まっ、部員たち、かなりの変更には対応できるってわかってるのでね。これが舞台慣れってことなんだろうね。
生徒ばかりじゃない。僕の方も、どこまでもどこまでもより良いものを追求していくって姿勢が生まれてきた。これ、作る立場としてとっても大切なことだし、この厳しさは部員たちに緊張感の持続をもたらしているように思う。そうか、先生いつでもどこでもこの舞台のこと考えてんだってね。そんなこたぁないんだけど。
明日はリハ。まずは本番に向けてしっかり準備することだけど、稽古も少しはできる。明日は明日でまた、どっか変わっていくんじゃないかな。おっと、そうだった。照明も今日になって一部変更してもらったんだった。照明の生徒、頭抱えてたけど。なーに、大丈夫!君たちならできる!大船に乗った気持ちで任せたよ。