取りあえず終了の宣言から2日、忍苦の時が続いた。
捕植!って言ったら、気楽に田を見回る雰囲気だろ?ときおり欠株見つけちゃ苗を植える。田植え終わった満足感に浸りつつウィニングウォーク?とんでもないぜ。朝は8時から夕方5時過ぎまで、昼の休みも30分に短縮して、ひたすら田をさすらう。それも中腰で、常に苗を植えながら。スクワットの途中で停止して、そのまんま歩行。どうだい?超筋トレだぜ。これがまるまる2日間!!足腰の逞しさに感謝だな。
田植え機械の不調が大きい。苗箱が引っかかるたびに植わっていないエリアが広がる。突如現れる田んぼの地肌!これが1枚の田で何か所もある。当然、ここは捕植というより、田植えだ。一心不乱、機械作業のように手足を動かし植え付けて行く。思うように動かぬ機械、腹立ちピークで、植え方もついついデタラメになったから、植わってない田面があちこちに広がってやがる。うん、もう!
今回、も一つの失敗は、バカでか苗が植えこまれず、その場に吐き出されちまったってこと。ずらっと、枕並べて討ち死にの体だもの。こいつらを1本1本拾い上げちゃ埋め込んでいく。身から出た錆びだけどな。種播き直しの目こぼししたやつ、播種から40日も過ぎた徒長苗に育っちまったのさ。まっ、枯れなくて良かった、って自ら宥めるしかないわけさ。機械からすりゃそんなデカいのしらねえよ、そこらに寝てろ、って無視しやがったわけだ。
しかし、考えようだぜ。ここまで黄化もせず、枯死せず生き生き緑を保ったってのは、床土の作りにもボカシの質にも問題なし、ってことだろ、ボカシの量さえ間違わなけりゃ、この方法で上手く行く、って分かったから、それなりに大きな収穫なのさ。
あと、田んぼの乾きすぎを甘く見たことも、その場にお寝んね苗増加の一因と分かった。ほら、土が固くて刺さらないわけよ。再度水をかけて柔らかくしてから植えりゃ良かったんだ、って今さら、そんな初歩学ぶなよ。
1本植えが多かったのも辛かったぜ。無視すりゃいいんだが、寂し気に一人立つ苗の姿見ると、つい、足し植えしてやりたくなっちまった。その分、捕植が遅れる。播いた種の数は3~5粒なのに、芽が出たのは、1ポット1本が多かった。うーん、何としたものか?
なんて、反省しいしい、てめえのドジに悪態つきつつ、ひたすら、ただただ、ひたむきに苗植え歩行を継続した。
こういう憂鬱気分で仕事してると、頭に浮かんでくるのは、過去の失態やら、己の至らなさやら、恥ずかしい行いやらばかり。これがまた、辛い。もう、捕植ウツになっちまいそうなんだ。これは精神的に大変ヤバい。そこで、縋るのは、やり遂げた後のご褒美を思い描くことだ。今年についちゃ、アルコール解禁!だな。1月からずっと断ってた酒を許そう。そうさ、ビールだぜ。頑張れビールが待っている。あの冷たい喉越し、どうだ、溜まらんだろうが。だから頑張れ!それと、意地と見栄だな。きれいな田んぼ、あたりに見せたい、発芽にゃへま打ったが、見ろよ、この田んぼ!見ん事、挽回したぜ!って、周囲で一番見栄えの良くない田なんだけどな。
で、ともかく、田植え終わった。反省の多い今年、きっと来年も苦労しちゃ反省することだろう。さぁて、ビールが待ってるぜぇぇぇぇ!