ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

水路は続くよ、どこまでも!

2021-04-25 10:51:40 | 農業

 やって来ました、米つくりシーズン!大切な共同作業は堰の堀上げ。山裾のため池、これ堰って言うんだが、そこから流れ出した水は、途中幾手にも分かれて田んぼに引き入れられ、イネを育む。米つくりの血管網ってところだ。血栓とかできないように、水路も流れをきれいに保たにゃならんのさ。

 役割はそればかりじゃない。散在する家々の下水路としても利用され、いざ出火ともなれば、これをせき止めて放水の水源となる。道路沿いなら、雨水の排水路としても貴重だ。だから、年に一度、溜まったゴミを取り除き、沈積した土砂を掘り出して水流を保つ。この日ばかりは、田んぼ作っていない家もみな、一家に一人出て、作業にかかる。

 今年は、集落の一番下流の家から、そこから川に流れ込むまでの水路が荒れてるから、との提案もあって、これまで手を付けてこなかった部分も堀上げすることにした。と、言っても、長年やってきた分担をさらに増やすてのは、高齢化著しい我が集落、誰にとっても抵抗が大きい。そこまでやる必要あんなか?の疑問は出て来る。わかる、とてもよくわかる。が、下流がちょくちょく溢れているのも目についてた。一昨年の大水の時も道路にあふれ出てた。

 やるしかないか。やるとしたら、役員の俺しかいない。去年まで担当していた部分は、他の人にお任せして、一人、未知の下流域!に向かった。

 あいやぁぁぁ、こりゃ酷いなぁ!両岸ともに耕作放棄地!どうしても水路の管理まで手が回らない。生い茂っていた葦が雪で倒れて水路を覆っている。

 何年も積み重なっているので、泥状化して、とてもとても、掬い上げられない。草刈り機とか鎌とかでぶった切ればいいんだが、スコップ一丁しか持ち合わせていない。スコップの剣先で突いて切断を試みるも、跳ね返される。もう、こうなりゃ力づく、葦ごと持ち上げて、岸に倒れ込む。そんな難関をようやく突破したと思ったら、今度は茨の群落に行く手を阻まれた。水面にまで垂れ下がった枝先にゴミが絡まってダムのようになっている。

 痛いっ!厚手の作業着なのに、簡単に肌まで棘が突き刺さって来る。もう、勘弁してくれよ!細い枝は剣先で何度も突き刺し切断したが、太めの古枝となると、完全にお手上げ!詰まったゴミだけ取り除いて、また、いつか藪を切りに来よう、ってことで妥協した。近そうで遠いは田舎の道、どこまで続く小川の流れ!

 最後の障害は、道をくぐる土管水路。なんだなんた?水流から横に取水口があるじゃないか。これじゃ流れが滞るさ。ゴミだって溜まるよ。土管の中にもきっとゴミや泥が溜まってるだろうな。せいぜい、スコップを突っ込むだけしかできない。これは長い煙突掃除用ブラシとか持ち込まないと無理だぜ。入口の周囲をきれいにして、これで終わり!ってことにしよう。

 そこら中、目をつぶってやり過ごすばかりの堰上げだったが、帰りに見直してみれば、やっぱりやっただけのことはあった。気持ちよく流れる水路。まっ、来年もまた来るから、それまで我慢してくれや、って誰に言ってんだ?

 

コメント
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