自然は正直だよなぁ!ヒトメボレ、例年通り、7月末に穂が出始めた。この調子で出穂が続いて、8月10日には出そろうだろう。中干し(穂が育つ前に田の水を一時抜く作業)をしない我が家の田んぼは、次々と茎が成熟し、だらだらと出穂が続く。無理に揃える必要はないよ、これが自然の姿なんだから。
イモチはほとんど見られない。株間除草でイネの中に分け入った時には、たまにイモチの斑点が見られる葉もあったが、広がっている気配はまったくない。不安におののきつつ見回った去年の出穂期とは大いに違う。眺めるたびに、イネの生命力に感動する毎日だ。気持ちが落ち込んでいる時など、わざわざ田んぼを見て、元気をもらっている。イネの鋭くすきっと伸びあがった葉先は自然の勢いそのものだ。
天候に恵まれた、ってことはたしかに大きい。でも、どうもそれだけではないようだ。苗が丈夫に育ったってことが大きいんじゃないかな。去年の苗作りは散々だったもの。苗土に加えたボカシが未熟な上に量が多過ぎた。幼少期に肥満にして過保護に育てた子ども、ってところかな。成長に従い、体力のなさ、病気に対する抵抗力の不足が際立ってしまった。そんなところじゃないかと思う。
堆肥置き場になって、最後まで堆肥たっぷりになった場所でも、イモチは見られない。しかも、そこのイネは茎数も多く、背丈も抜きんでている。堆肥撒きすぎも必ずしもイモチには直結しないってことだ。かえって、地力不足の部分は、イネもか弱く茎数も少ないので、周囲一面雑草の絨毯になっちまってる。こういう場所にはもっと堆肥を入れて、土を肥やす必要があるだろうな。
そう、来年の課題は、ただ満遍なく堆肥散布するのでなく、地力の低いところに重点的に播くってことがだ。もちろん、ボカシは丁寧に発酵させて、苗土には適量を守る。もう40年も米つくりしてるっていうのに、未だにこんな初歩的な学びで納得してるって、ほんと、成長しないよなぁ。まっ、その都度、何かしら新しい挑戦をしているせいではあるんだけどな。