自然治癒力セラピー協会=Spontaneous Healing Therapy Japan

自然治癒力を発揮させるために、心と体の関係を考えます。

自然治癒力とスキンシップ

2024年06月02日 | 健康を実現するための言霊(マントラや真言)
前置き)
㋄31日に投稿した ”一元論”と、
6月1日に投稿したと”ストレスと病”の共通項は、
心身一如(しんしんいちにょ)である。

”すべてが善で、完全性をもって存在している”という、
”一元論”は、
”心と身体は、一体であるから 心がストレスフリー
になれば、身体は健全に向かうし、心がストレスで
苛まされれば、身体も病で苛まされる”という、
心と身体の一体性(”心身一如”)に被さる。

なぜなら、”心の完全な安寧が持てれば、病も癒され、
消える”という反対の理論が成り立つからだ。

そこで今日は、癒しについてのお話を・・。
癒されることは、結局、本来の自分に立ち戻ること、
つまり、愛や優しさに満ちて、安寧の心持にかえること。

その時、心が”自然の自分に回帰”するわけで、同時に
”身体も完全なる健康に戻る”という”心身一如”の
方程式が成立する。

*****************************


ところで、古い皮質がカバーしている、”本能的三大欲求”
いうと、皆様はどのような欲求を思い浮かべるだろうか?
 
体の維持補填のための食欲、種族保存のための性欲、もう一つ
は睡眠欲かと思っていたが、その代わりに、’集団欲’ という
本能的欲求がある事を、最近知った。 

集団欲とは?
人間の人格形成の礎(いしずえ)として、この’集団欲’が、
生後三歳になるまで、どのように満たされてきたかで、
その後の成長や人格形成に影響するほど、大切らしい。 

例えば、三つ子の魂100まで’ という諺があるが、医学的に
その意味が当てはまるという。 
これは有名なサルの実験でも明らかになった。
 
米国のH.ハーロー博士が子ザルを使ってスキンシップ研究
で行った実験だ。生まれてすぐの子ザルを親から隔離して、
6か月間、全く他のサルと接触させず育てる。

その孤独な子ザルを、普通に育っている子ザル達の中に
入れるとどうなるか? 

全く、仲間になじめず、一緒に遊ぶことができなかった。 
生後すぐでも、親との隔離期間が3か月以内だと、
話が違った。 

彼は、普通に育っている子ザルたちと距離を置いていた
が、一週間ほどで、普通の子ザルたちと遊ぶだけの
適応性を身に着け、何とか馴染むことができるよう
なった。
 
一方、6か月間、生まれてすぐ親猿と隔離された子ザルは、
成長してどう変化するのか? 

成長したメス猿、無理やりに交配させ妊娠させて見る。
子供が生まれても、生まれた自分の子供に対してすら、
警戒心をいだき、放り投げ、母親の自分に近寄せまいと
たり、中には、自分の子供をかみ殺すは母親もいた
いう。
 
このサルの実験を通して推測できることは、人間の幼児
生まれて3年の間、周囲の人たちとのスキンシップが豊富で
あればあるほど、身心ともに安定した成長を遂げている
という。 

特に、授乳期の母親との関係は大切でこの時期に十分、
抱っこされたり、あやされたりとスキンシップとともに
愛情をうけることができるかどうかが、健全な成長の鍵
のようだ。

もし、この隔離された子ザル同様に、スキンシップや
親からの優しい扱いを受けることなく
育てられるとどうなるか? 
 
成長していくにつれて、社会不適応、人間関係不全、
家庭を持っても育児ノイローゼや育児拒否などを
こしやすいと考えられる。

反対に十分なスキンシップや親の愛情の中で育った子供は、
成長ホルモンの分がよくなり、身心健全に育つ傾向がある” 

と心療内科創設者、見酉次郎博士は述べている。(*1)
 
 

そういえば、ジプシーと呼ばれるボルネオオラウータン
をご存知だろうか?

多摩動物公園(園長 永井清)に彼女が2歳のとき
日本にやってきた。 
飼育員さんたちの暖かい愛情を受けて大切に飼育され
成長していくうち、いの間にか、人間を慰める大きな
存在になっていたという有名なオラウータンだ。

2017年9月に推定年齢62歳で亡くなったが、多くの人間の
ファンを持ち、彼女の持つ癒しの力には定評があった
ようだ。
 
どのようにして、2歳まで不遇な境遇で野生の中にいた
ジプシーが、その瞳で見つめるだけで無言の愛情を人に
与えるという稀有な”セラピスト”的存在になったのだろう? 

ここにも、”三つ子の魂百まで”の諺を彷彿とさせる、
彼女の幼年時代の話があった。 

それは、ジプシーを飼育することになった職員の方たちと
のスキンシップ、そして、心の通いあう暖かい、相互交流
だった。
 
次の言葉がそれを物語っている。
幼児期のジプシーの受けた心暖かい世話がよく伝わってくる。
 
ジプシーは)叱られた後に眠るのではなく慰められた後 
眠りました。
叱られた後眠るのではなく、抱きしめられた後、眠りました。

無視されたあとではなく、見つめられた後眠りました。

恐れの中眠るのではなく、安心の中眠りました。

あきらめて眠るのではなく、満たされて眠りにつきました。
 
今日のブログ冒頭の話に戻ろう。
どんなに優秀なロボットの子守がいたとしても、
人間の子供を抱きしめるときのように、愛をこめるこ
ができるだろうか? 
 
人間が心から悲しいとき、愛情のこもったまなざしで人間を、
見つめることができるだろうか?

そして、安心や慰めや力を与える”癒しの言葉”を状況に
合わせて投げかけてくれるだろうか? 

冷たいロボットが冷たい人間の心を満たすために、
その人の体に、暖かい息吹をふきかけるとができるの
だろうか?
 
否、何も言わなくてもいい。

ただ、その存在を感じるだけで、心を慰めることの
できる存在もいる。

自然といわれる、山川湖、森や海などであり、樹木や花、
ペット~犬、猫、鳥、魚、爬虫類 etc. であったり、・・・・

人によっては、ロボットのように、生命の無いモノ、車や
電車などの乗り物や、~マニアとして夢中になれる
対象物だったりする。 

そう考えてみると、人の心から、そうした対象物への
愛情や優しい興味を引き出してくれる=そのこと自体がすでに
”癒し”としての役目を果たしているのかもしれない。
 
’心身一如’の話題からずいぶん離れた話になってしまったが、
心と体が一体であるということ考えていくと、
医学的だけではなく、色々、深い意味合いがあるようだ。 

 
 
 在りし日のジプシー
 
コメント
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