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Credidimus Caritati 私たちは天主の愛を信じた

2024年から贖いの業の2000周年(33 - 2033)のノベナの年(2024-2033)が始まります

皇帝の新しい旗 その6

2009年07月15日 | トマス小野田神父(SSPX)のひとり言
アヴェ・マリア!

皇帝の新しい旗 その6

愛する兄弟姉妹の皆様、

 フランツヨーゼフ皇帝との謁見のため、アソ県の知事フランシスコはマルコパウロ地方の以前の州都があったオデから、帝都アモールへと道を急ぎました。広大な帝国領土を移動するのは飛行機が一番便利でした。

 アソ県知事フランシスコは、オデ空港に向かうため車に乗った時からロザリオを手にして祈っていました。今回の謁見が何らかの実を結ぶように、と。マスメディアはフランシスコを常に誹謗し、おとしめていました。ある大学教授は、フランシスコ県知事のことを、帝国から遠く離れたアジアの国の一つである日本の幕末の老中であったが、根拠のない醜聞により失脚させられた逸材、安藤信正に喩えていました。

 フランシスコは、時々、ロザリオをつまむ手を休めて、窓からマルコパウロ州の美しい自然の風景を眺めながら、マルコパウロ地方のことを考えていました。

 誰に言う話しかけるともなく、車の後ろに座りながら、フランシスコはポツリとこうつぶやくのでした。
「新しい帝国旗が導入されて以来、政治は権力獲得のための絶え間ない闘争の場となってしまったようだ。政治権力は、人間の全てとなってしまった。権力は、全ての物事を手に入れるための手段となった。権力は人間を神とさせる、と同時に、人間を卑しめ、人間を破壊している。・・・」

 アソ県知事は、昔とはすっかり変わってしまったマルコパウロ地方の人々のことを思いました。カトリック信徒は、聖パウロの言うとおり、全ての権能・主権は天主から由来することを知っていました。しかし、新しい帝国旗は、彼らに別のイデオロギーを押しつけていたのでした。

 それは「全ての主権は民に由来する」というイデオロギーです。人間を神とするイデオロギー。人民をおだてて、彼らを神とし、「有権者様は神様でございます」と人民を礼拝させるイデオロギーのことです。ちょうどヴァレー県知事の好きな七福神的な、神々となった人民、神々の民というイデオロギーでした。

 フランシスコは思索を巡らしてつぶやきました。
「以前は、天主の御名によって、天主の主権の名によって、法令が出された。臣民は、天主への愛のため、天主に従っていた。しかし、新しい帝国旗の精神によれば、人民の名によって人民に命じ、人民の自由を制限するのだから、人民は自分の思い通りすればよいことになる。人民は誰にも責任を負わず、人民は暴君となり、国が倒産しても国が滅んでも自分の利益だけを追求するようになって行った。Vox populi, vox Dei (人民の声は、天主の声)か・・・。」

 大手マスコミの支配者や株主は、自分たちの都合のいいような情報操作をしていました。マルコパウロ地方の人々は、「みんながしているから」という理由が好きだったので、テレビが言うとおり、新聞が書くとおり、右に倣え式に判断していました。そして人民がマスメディアの言うとおりに投票すると、一斉に「民意の審判が下った」「民意は選挙にあらわれた」と、書き立てたのでした。特に歌手や俳優やコメディアンなどが選挙に出ると、人民は喜んで彼らに票を入れました。じつはマスメディアの言うとおりに彼らは動いていたのですが、しかし、人々は、自分たちが政治を動かしている、という錯覚を抱き続けていました。

 アソ県ではもうすぐ知事選が控えていました。フランシスコ自身は「保守党」という名前の政党に属していました。

 野党は幾つかありましたが、その中でも勢力を伸ばしていたのが「博愛党」でした。「博愛党」は社会主義の政党で、以前は「社会党」と言われていました。博愛党は、人民の正義と平和を求め、同時に神聖にして犯すべからざる自由を理想的に追求しようとしていました。この党の主張によれば、気まぐれで自分勝手な人民の意志が国の利益と一致することを、無秩序と秩序とが一致することを、自由放埒と国家の権威とが同じであることを信仰していました。

 マルコパウロ地方にも共産党がありました。彼らは民主主義の原理を徹底的に、狂気に至る程度まで適用させ、その結果がどうなろうと怯まない人々でした。過去を消し去り、将来は無秩序(アナーキー)を作り出そうとしていました。ただし、彼らが政権を取ったその瞬間、一党独裁の警察国家を作り上げることでしょう。

 「保守党」は、現実主義者的な政党でした。革命家たちが壊そうとしている物質的な精神的な遺産を、秩序を不完全ながらも保守しようとする人々でした。しかし、最近では民主主義の選挙ゲームにどうやって勝つかということにますます夢中になっていました。そのために残念ながら、世論支持率やテレビ番組の司会らのコメントに、風見鶏のようにくるくると意見を変えていました。

 フランシスコ知事は、フランス革命のことを思い出しながら、今度は、隣にいた秘書のドミニコに語りかけました。
「フランス革命は、天主に反対し、天主の代理者であったが故にフランス王に反対した。革命家は自由を求めると同時に特権の廃止を求めた、つまり平等だ。ところでフランス革命から派生した、経済自由主義は、市場の完全な自由による機会の均等と製品の平等を保証することになっていた。しかし現実は、競争者の力が同等ではないのだから、弱肉強食となり、持てるものはますます持つこととなり、持てぬものはますます失っていった。社会主義は、この資本階級と労働階級とが平等ではないことを不正義であると告発している。」

「そうですね」とドミニコは合いの手を入れました。「彼らは、正義を実現させようという情熱に燃えています。富める者たちによって搾取され、こき使われ、捨てられた貧しい人々のために戦おうとしています。」

フランシスコ「そうだ。社会主義は、選挙と議会の反対勢力としては輝いて見える。野党にいるときは、何を言ってもリスクはない。しかし、社会主義が政権を取った国々を見てみよ。
 社会主義が一度政権を取ってしまうと、いままでの保守政権が貯蓄してきた全ての蓄積を使い果たしている。彼らはユートピアの世界にいるようだ。政治的な責任も経済的な責任も、無視するかのようだ。彼らは夢見たいなマニフェストを書くだろう。財源などは不問だ。現実を見ずに、メシアを夢見て待望している国民にとって、政権交代という言葉がロマンチックに響くのだろう。」

 ドミニコは博愛党のマニフェストを手にとってパラパラと開いてみた。

「労働時間の縮小、一週間30時間労働、給与のアップ、所得1.5倍増
 失業をなくす闘い、 最低賃金、2倍にアップ
 地方分権、全ての組織の徹底した民主化

 教育制度の改革、子供一人当たり6000ドル支給
 高校と大学の無償化、経済力格差による教育格差解消
 希望者全員に平等に奨学金制度

 高速道路の無料化、
 消費税一時廃止。
 60歳以上、公共交通機関の無料化

 医師の数を3年で3倍に増加、
 集中治療室の増加、救急病院の増設、介護施設を3倍に増加
 国民の声を聞き、がん死亡率を改善、成人病ゼロへ

 振り込め詐欺撲滅、泥棒・強盗・万引きゼロ
 車にではなく、人間に優しい町作り
 車道を、歩道に変え、緑を創出
 温暖化対策、云々」


ドミニコ「空想と幻想の世界で遊ぶのは楽しいかもしれませんが、それによって国民生活が保障されるという錯覚を与えることはほとんど犯罪に近いですね。」

 すると、前に座っていたベネディクトはこう言いだしました。
「これをやったらどうなると思いますか? まず製造業の人件費が安い海外への工場移転が急激に進みます。次に、今ギリギリの経営状態でやっている飲食業・コンビニなどを中心に、大量の企業倒産が発生します。また、上昇した分の人件費はそのまま販売価格に上乗せされますので、インフレが発生します。街の本屋さんなんかは全て倒産して、人件費がかからないアマゾンドットコムだけになるかも。素人考えでは給料を上げたらいいだろうということになりますが、世界経済が相互依存を増し、輸出入が国内取引と同じ感覚で行われる時代に、政府が介入して人件費を上げるということは、そういう最悪の結果を招きます。結局物価はあがるし、失業者も増えます。よい事は何もありません。」

ドミニコ「その通りですよ。ベネさんのように知性的な人は、一を聞いて十まで理解してしまうのです。しかし、調べる時間もない一般庶民は、うまい内容を鵜呑みにしてしまう危険があります。うちの知事を今マスコミがものすごい勢いで叩いてますよね。知事は自分の立場を散々貶められてもじっと我慢しておられる。使命感なのだとおもいます。我が党が政権を取り続けることは、マルコパウロにとってラストチャンスです。ほとんどの有権者は博愛党の増税のことすら知りません。一般人はマスコミのニュースにしかふれる時間がないのです。このまま博愛党をメシアだと信じて裏切られたと分かったとき、国民のメシアへの待望は共産党へと写ってしまうのではないでしょうか。」


ベネディクト「ええ、ジレンマは、今の世の中、責任のあることをいっても評価されないことです。無責任な党が人気を集める世相になっているからです。ですから、我が党も、博愛党と同じ無責任なことを言って、選挙に勝ってしまってから何もしなければいいのです。必然的にポピュリズムに堕する民主主義政治で、国民に義務や責任を求める発言や正論は禁句なんですよ。例えば、官僚の天下りの全面禁止なんて、そんなことはできるわけがないのですが、とりあえずやりますと言えばいいのです。大衆なんて、政治家が何かやっていると思えば支持するのですから。
 実際、公務員労組の支持を受ける博愛党が天下り禁止改革なんてするわけない。マスコミ向けの話題つくりに言っているだけなのに。権力を握るためならウソだってなんだってついたらいいのです。 とにかく権力をとることです。人気タレントに、出馬をお願いしたらどうでしょう。目玉・客寄せパンダです。人気者の票のお裾分けにすがればよいのです。権力を持っていないなら、何を言っても聞く耳はもたれません。妥協してリベラル面には面従腹背して、保守派の大同団結のため、正論を言うのを控えたらどうでしょうか。そのためには保守党本来の価値観や政策の実現を追求するなどという孤高を貫くやり方はだめです。政治理念、外交政策、長期的視点、価値観、信念を守る、そんな共産党みたいな態度をとっていたら、だれもついていきません。政権維持に矮小したと言われてもいいのです。博愛党みたいにウソついてでも医療費は増やしますって言って、選挙済んでからやっぱ減らしますってやるしかないでしょう。我が党の最大の欠点は、正論を言えば大衆はちゃんと理解してくれると信じていることです。正論が理解されるなら、ルーブル大臣もいわゆる「破門」などされなかったでしょうよ。最近ですが、アソ県の医師団体の1266人が保守党を離党しました。丸ごと保守党から離党し博愛党へ移籍しています。我が党が、消費税増税と並んで将来の医療費抑制なんて公約をするから、こんなことになるんです。医療費減らすなんて言ったら医師会が離反するのは当然ですよ。
 この新聞記事を見て下さい。博愛党のばらまき政策が嘘だという証拠です。博愛党の最高顧問は、若手の議員に、「財源はどうにでもなるし、どうにもならなかったら、ごめんなさいと言えばいいじゃないか」と語っていると報道されています。我が党も、彼らの賢さをまねるべきです。」

ドミニコ「ベネさんの主張も理解できます。しかし、私たちから遠く離れたアジアの国の話ですが、例えば、日本では昔、自民党という政党が政権奪還をしようと、社会党の村山という政治家を抱き込んだことがありました。たしかに政権は奪還できましたが、同時に「村山談話」を生み出してしまったじゃないですか。
 我が党が、保守党本来の価値観や政策の実現を追求し続けなければ、誰が政治理念、外交政策、長期的視点、価値観、信念を守るでしょうか。マルコパウロ地方のための本当の共通善を訴えていかなければなりません。政権維持に矮小化してはなりません。」

ベネディクト「博愛党が政権を取ったら、マルコパウロはめちゃくちゃになるでしょう。しかし、人民がそれを望みそれを選ぶなら、しかたないでしょう。やはり一度、博愛党に政権を預け、悲惨なほど能力が無いことを国民に実感させるより方法はないのでしょうか。」

ドミニコ「そんなやけになって投げやりなことをいってはだめですよ。きれいな色をした毒入りジュースを飲もうとしている人に、毒であることを言っても分からないだろうから、痛い目にあって分かってもらおうというのと一緒じゃないですか。私たちは弱い人々を守らなければなりません。マルコパウロ地方の、右も左もよく分からない愛する兄弟姉妹のために、皆ための本当の善を訴え続けなければなりません。博愛党みたいにウソついてでは、我が党が歴史に汚点を残します。確かに大衆はマスコミの言いなりになっています。しかし、正論をちゃんと理解してくれると信じるほかないではないですか。」


ベネディクト「ところで、ニコさん、あなたは全能の天主様が世界の全てを動かしていることを信じますか? 信じないならカトリック信者とはいえません。信じるなら、新しい帝国旗ができたのも新しい県ができたのも、パインビーチさんが県知事となったのも、全て天主様がそうお望みになったからであり、今でも新しい帝国旗が続いているのは天主様がそれをお望みだからです。もしそうでなければ、神様がお望みでないことは一瞬でも続く事はできないからです。もしそうであるなら、帝国は、なるようになるのです。もしそうでないなら、天主は存在しないということになります。」

ドミニコ「もちろんですよ。全能の天主様が御摂理によって世界の全てを統宰していると信じています。この世界に起こることは、全て、天主様のお許しによって生じています。しかし、カトリック神学は、天主様の意志を二つに区別しています。「望みの意志」と「許しの意志」です。天主様は、善が生じることを「望み」給い、悪が生じることを「許し」給うのです。この世に起こることが全て、天主様がそれをお望みだ、だから善である、としたら、この世には「罪」が存在しないことになります。しかし、現実には罪が存在しています。罪は天主様のお望みでも御旨でもありません。しかし、罪が生じてしまうことを、天主様はお許しになるのです。何故か? 天主様が存在するにもかかわらず、何故この世に悪が存在するのか? それについては聖アウグスティヌスは、生じてしまうことを許された悪よりもさらに大いなる善をその悪から引き出すために、天主は悪が生じることを黙認すると。だから、私たちは善のために戦わなければなりません。努力しなければなりません。悪に勝たれるままにしていてはなりません。カトリックの世界観は、この世に悪が存在しないということではありません。この世の全てが甘美で美しく善であるとは限りません。天主様の神秘的な許しによって、この世には悪が存在することが許されています。人間は天主を十字架に付けて殺してしまうほど邪悪であり得るのです。天主はそのような邪悪でさえも、その神秘的な摂理によって存在することを許し給うのです。」


 彼らの話題が別の方に行ったのに気がついたフランシスコ知事は、またこう言い出しました。
「フランス社会党第一書記であった当時、フランスの大統領戦に向けて、フランソワ・ミテランはこの「共通プログラム」と言われるものを公約に掲げた。 « La destruction réelle et complète de tous les modes d’exploitation de l’homme par l’homme suppose l’avènement de la démocratie économique dont le point de départ reste l’appropriation collective de tous les grands moyens de production, d’investissement et d’échange. » 」

ドミニコ「どういうことですか?」

フランシスコ「つまり、『人間の人間による搾取の全ての手段を現実に完全に破壊すること、そのためには経済的民主主義の到来が措定される。この経済的民主主義の出発点は、生産と投資と交換の手段を集団所有物化することにある』ということだ。フランスの社会党、フランス共産党など左派の共通のプログラムとして1972年に署名された。そしてミテランは1981年の5月からこれを実行したが、結果は惨憺たるものだった。
 彼らによれば、不平等の根源は私有財産制度にある。だから、これを廃止させようと企んだ。新社会主義は、企業の運営や投資の指針あるいは企業計画など個人的な権力さえも、不平等の原因だかうら廃止を狙っている。労働者の、労働者による企業の自己運営(l'autogestion)、つまり自立だ。これを全てのレベルで、国の単位で、全国民による国民経済の自立といわれる共同運営を求めた。
 平等のために、社会主義はさらに富の再分配と所得の再分配を求める。不平等の根源であるものを廃止する。つまり、市場の廃止だ。それに伴ってカネの廃止だ。できることなら人間の心から「利益」という概念さえも排除させようとするだろう。彼らは利己主義を捨てて、共同の利益で活きることになるだろう。つまり、共生(convivialité)だ。社会主義の理想である共生社会(la société conviviale)が出現するだろう。これは、元カトリック司祭で社会主義者であったイヴァン・イリイチの主張だ。
 「自立と共生」のスローガンの元に、個人の手から所有財産や営業権を取り上げ、人民の名前において全ての力を国家に与えようとしたのだ。国家は唯一の所有者として、唯一の権力者として、国の富を経営し、運用し、全ての経済活動を行うことになっていた。むやみやたらな投機もなくなり、人間を奴隷化する最大利益の追求もなくなり、需要供給のアンバランスもなくなり、過剰競争もなくなり、国家の完璧な経済運営が期待された。そして巨大な国家テクノクラートたちが生まれた。
 しかし、超金持ちはそのまま残った。中小企業だけがコントロールを受けて成長が止まってしまった。集団化とインフレで、超金持ちは豊になり、社会主義による財産の再分配にはずれた人々はますます貧しくなっていった。
 社会主義は、スウェーデンでも失敗している。ユーゴスラビアでもそうだ。」

ベネディクト「自立と共生、どこかで聞いた言葉ですね。まあ、社会主義は、国家主義に通じますからね。官僚がやたらに増えることは分かっています。官僚がなぜ我が党を与党の座から引き摺り下ろそうとしているのかですが、構造改革の総仕上げである公務員改革を恐れているからです。現政権が進める人事権の県庁府への権限移管は、天下り先を県庁府が斡旋するという内容で、それをやられたら官僚は誰も県知事に歯向かえなくなりますから、そのため官僚は物凄い抵抗をしているのです。博愛党が公務員改革をできるというのは、大嘘ですね。自治労・官公労を支持母体にする彼らに公務員の待遇向上はできても公務員改革など絶対にできません。」

ドミニコ「そういえば、私も共生という言葉を聞きました。人間文化共生学部という新しい学部や学科を創って、経営に失敗した大学がフォレスト県にあるそうです。共生、共生と、彼らは、夢を見ているようですね。本当に人間が皆、自由で平等だと身にしみて分からせてくれるのは、マルクス革命でしょうね。共産党が、目を覚まさせてくれるでしょう。・・・」

ベネディクト「そうそう、人間は皆、平等に飢餓で腹を空かせるし、平等に死にますからね。国家が全ての富と自由を独占して、人民を完全な奴隷としますから、そのときには奴隷たちには秩序と平和が来たということに気づくのでしょう。」

 県知事は、もう一度ロザリオを手に持ち直して、ドミニコとベネディクトにこう促しました。
「空港までもう少しあるから、一緒にロザリオを唱えよう。マルコパウロの人々のために。苦しみの玄義だ。第一玄義、この一連を捧げて主がゲッセマニの園にて憂い給いたるを黙想し、聖母の御取り次ぎによりて、罪を痛悔する恵みをこいねがわん」

(つづく)



聖母の汚れ無き御心に教皇様がロシアを奉献するため:現在4620環のロザリオが集まりました

2009年07月15日 | ロザリオの十字軍
アヴェ・マリア!

愛する兄弟姉妹の皆様、

 ロザリオの十字軍の報告をご紹介いたします。2009年6月までの分で、7月14日現在の報告の総計は4620環です

 ヴィンチェンチオさんから、20環のご報告がありました。

 もしも、私にロザリオを報告したけれども、集計されていないようだということに気がつかれた方は是非ご連絡下さい。せっかくのご報告メールですが、スパムメールの方に行ってしまった可能性があるからです。お手数ですが、よろしくお願いいたします。

 私たちは、愛する兄弟姉妹の皆様のご協力によって、聖母の汚れなき御心に是非十二万環を捧げたいと願っています。聖母マリア様を愛するために、聖母マリア様への感謝のために、愛する兄弟姉妹の皆様のご理解と寛大なご協力をよろしくお願いいたします。多くのお友だちを誘って、ロザリオを御願いしてください。お友だちからのロザリオの環数を集計してお知らせください。

愛する兄弟姉妹の皆様の上に天主様の祝福が豊かにありますように!
トマス小野田圭志神父(聖ピオ十世会司祭)

今回は、さらに次のようなご報告をご紹介いたします。

【報告】

J,M,J, Ave Maria !

神父様、お元気ですか?いつも私達をお導きくださってありがとうございます。・・・
フィリピン、韓国、日本はもう随分暑いようですね。お体に気をつけて下さいませ。

先月は中途半端に6月中頃にご報告してしまったので、残りの6月分のロザリオのご報告をいたします。(今後は、月末締めで1ヶ月分ご報告するようにいたします。)

・・・ 146本お捧げします。

聖母マリア様、小野田神父様をどうぞこれからもお助けください。


【質問】
+主の平安
トマス小野田神父さま

お忙しいところこのように詳細なお返事をくださいましたことに深く感謝申し上
げます。

ブログ拝見しました。本当に、このような疑問を持っておられる方は多いと思い
ます。何となく少しだけお役にたてたみたいでうれしいです。

> 召し出しを求める射祷

公教会祈祷文の「主イエズス、主の司祭をふやしたまえ」ですか?
いや、何でもいいんですけど、何となく。・・・
主が神父さまと兄弟のみなさまを祝福し、守られますように。

【お返事】
 召し出しの射祷は、公教会祈祷文のと少し似ていますが、聖ピオ十世会では世界中どこでも同じ内容で唱えられているものです。それは、次の通りです。

主よ、我らに司祭を与え給え!(先唱にならってもう一度唱える)
主よ、我らに聖なる司祭を与え給え!
主よ、我らに多くの聖なる司祭を与え給え!
主よ、我らに多くの聖なる修道者の召命を与え給え!

フランス語
Seigneur, donnez-nous des prêtres !
Seigneur, donnez-nous de saints prêtres !
Seigneur, donnez-nous beaucoup de saints prêtres !
Seigneur, donnez-nous beaucoup de saintes vocations religieuses !


聖ピオ十世、我らのために祈り給え!

(アジア管区ではさらに次の射祷を付ける)
聖フランシスコ・ザベリオ、我らのために祈り給え!

(日本ではさらに次の射祷を付ける)
日本の尊き殉教者、我らのために祈り給え!


【お便り】
+JMJ、Ave Maria ☆!

小野田神父様、こんばんは。

Youtubeに、ロザリオ十字軍についての第2弾がつくられたのをご存知ですか?
Rosary Crusadeのblazentechさんがつくられたようです。

Reparation


ロザリオ十字軍のロザリオと共に、犠牲と初土曜日の信心をすすめています。

小野田神父様、このほかにも、このblazentechさんの、ロザリオの黙想の動画(絵)がすばらしいのです。ひとつの珠(天使祝詞)ごとに絵があります。(150個)本当に、ロザリオの黙想の助けになります。

喜びの玄義前半↓
Joyful Mysteries Part 1



喜びの玄義後半↓
Joyful Mysteries Part 2



苦しみの玄義前半↓
Sorrowful Mysteries Part 1



苦しみの玄義後半↓
Sorrowful Mysteries Part 2


栄えの玄義前半↓
Glorious Mysteries Part 1



栄えの玄義後半↓
Glorious Mysteries Part 2



ワンガヌイのSSPXの売店には、これら150個の絵による、ロザリオアルバムが売られています。
いちど、ご覧になっていただけませんか?
よろしくお願い致します。

【お返事】
 すてきな動画のご紹介をありがとうございます!

【おまけ】ルフェーブル大司教様の言葉
「聖母マリアは、ロシアがご自分の汚れなき御心に奉献されることを望んでおられます。何故でしょうか? それは御子がロシアにおいて君臨するため、私たちの主イエズス・キリストの統治が、この国に戻ってくるためです。ロシアは今では、私たちの主イエズス・キリストの統治を全世界で、全人類において破壊させるためにサタンに身を委ねた国になっています。そこで聖母マリアは、蛇の頭を踏み砕いたお方であり、サタンに反対して戦う方ですから、ここロシアにこそ天主の祝福をもたらさなければならないとご存じだからです。だから聖母マリアは、ロシアがその汚れなき御心に奉献されることを要求されたのです。聖母マリアは、ロシアで御子に君臨させるために、ロシアの元后であることをお望みなのです。」(ルフェーブル大司教 1984年復活祭のお説教)

Pourquoi consacrer la Russie au Coeur Immaculé de Marie?

« La Très Sainte Vierge désire que la Russie soit consacrée à son Coeur Immaculée. Pourquoi ? Pour que son Fils règne en Russie, pour que le règne de Notre Seigneur revienne dans ce pays qui est maintenant le pays livré à Satan pour détruire le règne de Notre Seigneur Jésus Christ dans toute l’humanité, dans le monde entier. Alors la Très Sainte Vierge, elle qui a écrasé la tête du serpent, elle qui lutte contre Satan, sait que c’est la qu’il faut porter la bénédiction de Dieu. Et c’est pourquoi elle a demandé que la Russie soit consacrée à son Coeur Immaculé : elle veut être Reine de la Russie pour y faire régner son Fils. » (Mgr Lefebvre – Sermon – Pâques 1984)

【関連記事】ファチマとロザリオの十字軍

--このブログを聖マリアの汚れなき御心に捧げます--

アヴェ・マリア・インマクラータ!
愛する兄弟姉妹の皆様をお待ちしております
【最新情報はこちら、年間予定一覧はこちらをご覧ください。】