金髪の天才少年ピアニストとして、11歳でモスクワデビューしたトカレフ。日本にもたびたび来日して、その人気は高まっていましたが、やっとリサイタルに行くチャンスを得ました。会場は、福岡シンフォニーホール。
プログラムは、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ「熱情」。 シューベルト:樂興の時。 シューマン:子供の情景。 ショパン:ピアノソナタ第2番。
「子供の情景」の静かな曲のあとに、ショパンの力強いピアノソナタ。雷鳴のように響くフォルテシモ、消え入るようなピアニッシモ。指がよく動く動く!そのスピードはギネスブックものだと聞いたことがあります。
ピアノで、ここまで表現できるのかと思われる演奏で、聴衆も身を乗り出し、息を止め、目を凝らしてその演奏に聴き入りました。
最後にこの曲を持ってきたのは大成功。聴衆も興に乗り、割れるような拍手に、アンコール曲もスピードと技巧を要する演目で、観客は大満足。ショパン:エチュード「黒鍵」。 プロコイエフ:トッカータ。 リスト:ラ・カンパネラ。 曲に命を吹き込む演奏とはこのことだと感動しっぱなし。
アンコールの盛り上がりの余韻がさめないまま、CD販売の列に並びました。サインのおまけ付き。更にニコッと「貴公子のスマイル」も付いていました。上の写真がサイン入りのCDです。
会場のCD売り場に、これほどの人垣ができるところは見たことがありません。完売でした。今後世界でもっとも期待されるピアニストに入るとか。まだ23歳なんです。
ステージの上に浮かび上がる端正な白い横顔が、今読んでいる『ローマ人の物語』(塩野七生著)のローマの主人公たちと重なって、演奏を更に印象深くしました。生の演奏はやっぱりすごいと思います。