新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

吉二郎の壮絶なラストシーンから

2018年10月18日 | 本・新聞小説

先週の『西郷どん』のラストシーンは、隆盛の弟・吉二郎を渡部豪太さんが壮絶な最期で締めくくり、迫真の演技に魅了されました。
この北越戦争の中に「河井継之助」「ガトリング砲」の言葉は出たものの、余りにも素っ気なく通り過ぎたのが消化不良・・・。
司馬遼太郎『峠』に河井継之助を主人公に変革期の英雄の一生が書かれています。

長岡藩から江戸への学問修業や地方の学者を訪ねて旅を重ねる行動派。藩に戻ってからは重職に就き赤字財政を改革をし、その余剰金で洋式銃を買い求めて富国強兵に努めます。若い頃からすでに封建制度の崩壊を予測しており、先見性と知力は超一流と言われていました。
大政奉還後の北越戦争では、継之助は軍事総督として「局外中立」を構想しますが、新政府は外交の手をさしのべようとはせず改革には血の犠牲がいるとした政略でした。長岡藩は結局参戦に追い込まれ敗戦します。
北越戦争が維新の内乱で最も激烈と言われ、それを引き起こし長岡藩まで潰してしまった人物として、河井継之助は今でも人気がないと「長岡人」から聞いたことがあります。
負ければ賊軍で、その歩いた道のりも後世への功績も消されている人物だからこそ、返って読みたくなる本です。

歴史の中にはこうして名前を消された英雄、英傑が数多くいた事でしょう。


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