平日に毎日放送されるBSシネマは吹き替えでなく字幕スーパー。文字と映像を同時に見なければならず、その程よい緊張感と白黒画面の無駄のない美しさが好きです。言語は分からないけど人物と声が一体化していて不自然さがないのがいいですねぇ。自粛期間中は随分救われました。
「間違えられた男」はヒッチコック監督が実際に起きた事件を映画化したもので、下記はいつもと違う冒頭のシーンです。
暗闇に浮かび上がった人物が語ります。『私はアルフレッド・ヒッチコックです。今まで沢山のサスペンス映画をお送りしてきた。だが今日は少し違う。異は事実にあり。これは実際にあった物語である。私が今までに作ったどの恐怖映画より奇なることがあるのだ。』
暗闇に浮かび上がった人物が語ります。『私はアルフレッド・ヒッチコックです。今まで沢山のサスペンス映画をお送りしてきた。だが今日は少し違う。異は事実にあり。これは実際にあった物語である。私が今までに作ったどの恐怖映画より奇なることがあるのだ。』
主人公は高級クラブの楽団員で慎ましく暮らす誠実な男性マニー(へンリー・フォンダ)。
ある日、保険証書を担保に、妻の歯科治療代400ドルを借りに行ったことから事件が始まります。マニーが複数の店で強盗を働いた男として逮捕されるのです。その複数の店の店員が皆マニーを犯人だと証言するのです。
全く身に覚えがないマニーですが、出された複数の証拠がどんどん絶望の淵に向かわせます。暗闇へのスパイラル・・・。
時は1953年。歯4本の治療費が300ドル。楽団員マニーの週給が85ドル。(アメリカの医療は高いと聞いていましたが本当なんですねぇ)
妻は自分のせいだと絶望と恐怖に陥り、張り詰めた心に精神を病み入院して隔離状態になりました。
ヒッチコックの映画は最後はハッピーに終わる・・・、そんな予想が心を支えますがハラハラのし通しです。
犯罪者に間違えられた男の悲劇。まかり間違えば自分の身にも起こりうるかも・・・。まさに恐怖の映画でした。