二人無脚…

2007年05月24日 | Weblog
悲しい事がありました。

どこまでも「ほどこす」治療は、

時としてその患者さんの人生を

後向きにしてしまう事があるようです。

「治療に行けば、ミッチリやってくれる」

ってなると、エクササイズや生活指導を本気で実践する気も

萎えてしまうんでしょうか…




一緒に前を向きたくなるような治療が理想ですが、

むづかしいものですね。。。



昔こんな事がありました。

怪我のために戦線離脱していたボクサーを、

再起に向けてサポートしていたときのこと。

本人は、焦りのためか常に「オーバーワーク」


長い療養生活の中で、スッカリ「ボクサー」から「常人」に戻ってしまった

カラダをかえりみず、しょっちゅう「怪我」をこさえてくる。

そして痛みが抜けるまで、念仏のように「治してくれ×2」と繰り返す。

私「体の中に傷があるわけだから、揉んでもストレッチしても

今すぐに治ることはないよ」

と、つげる。

本人からは焦りがヒシヒシと伝わってくる。

セルフエクササイズも馬耳東風。

「怪我を早く治したいなら、これこれこのエクササイズを。

その間、これこれこの部分の強化を。」

といってもやった気配はない。


人は身体の効率的な使い方を覚える事で

怪我をしにくくすることができます。

同時に、そういった身体の使い方こそ一流の選手のパフォーマンス

を実現すると私は考えます。


怪我をしたら、痛くないように上手に体を使う

練習をしたらいいんじゃないでしょうか?


痛いのをおして、さらに自分を傷つけるだけのトレーニングは

実りが少ないといえはしないでしょうか?


しばらくの間、そのボクサーに付き合っていたのですが、

真意は伝わらず「怪我怪我怪我」の繰り返し…


私に「依存」してしまっていると気付いたとき、

彼のために「出入りを禁止」しました。


その後、再起ができたと本人より手紙とチケットが届きましたので、

「時には厳しい」対応も必要なのかと、少しだけ報われたように思いました。

手紙には「教えてもらったエクササイズは続けている。また、治療を受けたい。」

とありました。

んん~、一応気付いてはくれたのかな!?

でもなぁ、

よりを戻すってなるとなぁ…

また元の木阿弥になるかもしれないし…

覆水盆になんとやらッていうしなぁ…


おっと、話がそれました…

で、

え~っと、

なんでしたっけ!?


そう、

痛いのをひたすら我慢してゆく人生は味気ないものですよね。

できることなら痛みのない快適なカラダで過ごしたい(過ごさせてあげたい)。

そのためには、治療家の支えに「おんぶに抱っこ」ではなく、

自分の足で歩いてゆかなきゃならん。

それこそ「二人三脚」で。

ということです。

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